最近五嶋龍君をよくテレビで見る。実は彼が15年ほど前に、姉の五嶋みどりさんのピアノ伴奏でバイオリンを弾いた映像がある。これが彼のデビューになるかも知れない。これはNHK文化センターの仕事で収録したものだが、泣きながらバイオリンを弾く龍君が今も印象に残っている。
テープはMUというフォーマットで、当時NHKと松下電器が共同開発したVTRフォーマットだ。ソウルオリンピックで公式フォーマットにはなったが、その後はアメリカNBCが正式採用したことくらいで、ソニーとのフォーマットバトルには負けてしまった。
ソニーがβカム⇒βカムSP⇒デジタルβカム⇒βカムSX⇒HDCAMという流れの中で、常に過去のフォーマットが再生できたことは大きい。βマックスはVHSとのバトルには敗れたが、放送用では完全勝利を収めたのである。
過去のフォーマットになったMUだが、今も再生環境は整っていて、MUはアーカイブスとして今も有効である。必要なものはデジタルに変換し保存している。後藤龍君のテープも早々にデジタル変換しておいた方がよさそうである。この他にも1/2インチオープンリールや3/4インチUマチック、1インチCフォーマット、AKAI-CVCやV-30フォーマットなど、様々な旧フォーマットが今なお存在している。世の中には次の時代のためにデジタル変換しなければならないものが沢山ある。8ミリビデオやβマックスなどもそろそろ幻のフォーマットになりつつある。
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