先般マトリクスライト社の小型LEDライトML-80を購入した。HDCAMのDタップから電源供給でき、マニュアルでのON/OFFと、RECを押すとLEDライトが自動点灯するAUTOモードが選べて便利だ。光量もけっこう強いうえに照射角は 水平方向110°とショートズームをカバーするまでに広い。7月に入ってからはHDCAM ENGの常備品になっている。
HDW-750に取り付けたMatrixLight ML-80 と HDSDI モニターTVLogic VFM-056WP
ただし価格は色温度3種切り替えのML-80 ENGパッケージで79,800円(システムファイブの税込み価格)と値が張る。そして色温度が200Kステップで可変できるML-7のENGパッケージでは\126,000 (税込)だ。さらにML-7のハンドヘルドパッケージだと\150,150 (税込)と非常に高価だ。
これまでLEDの光質や演色性で導入を足踏みしてきたがML-80がきっかけとなり色温度可変式LEDライトの有効性を遅ればせながら認識した。
こうなるとデジ(HDVやAVCCAMなど)ロケ用にもと考えるのは自然の流れというもの。しかし価格が障害になる。4〜50万のカメラに10万のライトは・・・・
そこで見つけたのがネットオークションの激安LEDライトだ。光量はML-80の半分ほどだが色温度、光量がVRで連続可変できる上に、ソニーのリチウムイオンバッテリーNEF-750や950/970などが電源として使用できる。幸い会社にはTRV時代に購入し、容量的にはまだまだ使えるNP-F750や950がゴロゴロしている。もちろん現役のNP-F970も併用できる。
こうなると買わないのはかえってもったいない。バッテリーが余っているならLEDライトを買おう!
届いたライトは金属筐体で冷却ファンが入ったマトリクスライトとは違って樹脂性の筐体で冷却も自然冷却とチープなもの。しかし加工精度もよく、分解して内部を検証したが基盤や配線もきれいに行われている。VRの動きも滑らかで精度の高さを感じられる。
ただし電源スイッチが光量調整のVRに抱かれているところはいただけない。電源OFFから実用照度(FULL)まで上げるために毎回ツマミを廻さなければならない。これは不便だし、現場ではイライラしそうだ。新品をバラバラにするのも気がひけるが、やはり手を加えて使いやすくしなければ現場では通用しない。この点はバッテリー取り付け部内部に空間があることとバッテリーの接/断で動作に支障がばいことを確認した。電源SWを増設することで使いやすくなるはずだ。
照射角は60度と狭いが初期のLEDライトよりは格段に広いし附属のディフューザーで角度と光質を和らげることができる。
マトリクスライト1台分のコストで10台ほど買えてしまうこのLEDライト、オークションに多数出ている。 ネットにレビューが無かったのでダメ元で購入したが、思っていたよりはるかにすばらしい製品だたっと思う。 本体にはディフューザーと小型自由雲台、バッテリー、バッテリーチャージャーも附属している。附属の小型自由雲台だが同様のものがヨドバシ梅田で3000円ほどの価格で売られていた。雲台の価格を引けば8000円相当のコストでバッテリー、充電器つきのLEDビデオライトが手に入るわけである。もう数台購入しても良いと思っている。
この話を知り合いの大手TV技術会社の報道部に勤めるHさんに話したら、その会社でもマトリクスライト4台と、この格安の同機を2台購入していたそうだ。つまりこのLEDライトは価格こそ格安だが、放送現場でも使われているということである。
GoProではないが、放送機器の一員として活躍している格安機材だ。
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