ニコン マルチフォト風 NEX マクロフォト 動画対応
日本光学のマルチフォトをご存知だろうか。1968年に発売され1994年頃までカタログに載ってたそうで、当時180万〜だそうだ。大学の研究室等に納入されていた大型マクロ写真撮影装置でマイクロニッコールとは別物で顕微鏡対物マウントのマクロニッコール19mmF2.8、35mmF4.5とライカLマウントの65mmF4.5、120mmF6.3の4種が用意されていた。
心あたりに声をかけて探しているが、中々見つからない。まぁあ、頸を長くして待っていればいずれは入手できるかもしれない。しかしこのマルチフォトが必要な撮影が来てしまっては断るわけには行かない。私の会社は撮影技術会社なのだ。
そこで出来上がったものがこれ。
【SONY NEX MacroPhoto System】本家マルチフォトの足元にも及ばないが、それでもレンズが良ければ高精細なマクロフォトが撮影できる。
ベローズは手元にあったアサヒペンタックスのもの。モニターはNEX-VG10用に購入した5インチの液晶CLM-V55をHDMIで接続している。写真はカメラ部にNEX-5を装着しているが、もちろんNEX-VG10も装着可能である。ただし拡大フォーカスやRAWデータ記録など、写真用途ではNEX-5が便利だ。
どことなくニコンのマルチフォトに似ていないだろうか。
ベローズのスライドコピーアタッチメントの取り付け部分を利用して専用のスタンドを作った(作ってもらった)
工作はいつものように井上鉄工所の井上さんにお願いした。
適当な材料の中からスタンドの台に丁度いいものを探して必要な長さに切断。鋼材の厚みは4mmあり、こんなものは自分では絶対に切れないがさすがに鉄工所である。羊羹を切るようだ。この時の様子をキッズ携帯 F-05Aのカメラで撮ってきた。
10mmボルトを取り付けるためにボール盤で穿孔してタップを立てる。
最後はグラインダーで角を整形して材料の錆を落とす。材料費と加工賃は○秘だが、昼定食並み。錆を落としてつや消しブラック塗装を施した後に溝状のゴムを貼り付けて完成。
このシステムで使用するレンズはオリンパスのマクロシステム用のOM System ZUIKO MC MACRO 1:3.5 f=38mmが便利。RMSマウントをL39に変換して、さらにL39→M42変換アダプターでペンタックス用のマウントに取り付けている。
また低倍率の撮影や、高倍率の撮影のためにELニッコール50mmF2.8やキヤノンのマクロフォト用20mmF3.5などがこのシステムでは便利だ。
左がキヤノン20mmF3.5でマウントはRMS。右はELニッコール50mmF2.8のNEWタイプ。また、最近手に入れたコダックのエクターレンズ(1954年製の引き伸ばし用レンズEastman KODAK Enlarging Ektar 50mm f4.5)などでも好結果を得ている。1954年というのは私が生まれた年である。
透過式の撮影には富士カラーの4×5吋フィルム用のビューワーを使用した。最近全く使うことの無い4×5だがビューワーは重宝する。
下の写真はこのシステムで撮影したテスト。
これはジッポライターの飾り。
高倍率でのテスト撮影。
なおNEX-5にはケーブルレリーズが無いため、シャッターはαシリーズ用のワイヤレスリモコンRMT-DSLR1で行う。
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