今更50年以上前のレンズの話である。かつてコマーシャルエクターというレンズが有った。大判カメラを使っていた人なら「あ〜、あの銘レンズ」ということになる。そのエクターの血を引くレンズをひょんなことで手に入れることが出来た。 これがそのレンズ【Eastman Kodak Enlarging Ektar f:4.5 50mm】だ。テッサー型ではなくヘリアー型らしい。 見た目が美しかったので買ってしまったが、はたしてどれほど写るものかはわからなかった。 NEX-5の即席加工したボディーキャップにアサヒペンタックスのM42ヘリコイド接写リングを取り付けて、その先端に穴をあけた発砲塩ビ板でこの可愛いエクターレンズを取り付けてみた。※仮付けのため正確に光軸が出ていない。 まずは遠景のテスト撮影。後日正式に金属マウントを加工するまで、片ボケは仮付けのご愛嬌ということでお許しいただきたい。いずれも絞りは開放のF4.5で撮影はNEX-5(写真をクリックしていただくと原寸のオリジナルが開きます) 次に背景のボケ具合のチェック そして近接撮影のテスト。会社の近くの歩道は住民に解放されていて花壇がきれいだ。 1954年製造らしいが、その年は私が生まれた年だ。今回入手したこのレンズとの出会いに少し運命的なものを感じている。 アメリカというとつい大雑把な印象を受けるが、その科学力、技術力は非常に高い。 私の父が南方戦線でマラリアや赤痢に脅かされ、母は防空頭巾を被って竹槍を振りながら「鬼畜米英」と叫んでいた頃、アメリカはカラーフィルムで太平洋戦争を記録していた。そんな国に勝てるわけも無い。 そして今、アメリカは「TOMODACHI」である。
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