仕事の大半はHDCAMやHDVといった放送用・業務用カムコーダー、それに中継用スタンドアローンタイプのカメラがほとんどだが、民生用の製品も色々と使う。例えばNEXシリーズの一眼スチル兼ムービーカメラや写真用のEOS5Dmk2やEOS7Dなど。 その中で一際輝いているのがハンディーカムのHDR-CX560Vだ。 極めてチープ(こういった言い方は失礼とは思うが、他に思い浮かばない)なハンディーカムだ。しかし安いと入ってもフルHDの60Pや24Pなどが撮れるうえに写真の撮影も可能である。この至れり尽くせりのところが一層チープ感を増しているとも思えるが・・・・ まあそういうことはおいておくとして、このHDR-CX560Vの何が凄いかといえば、その防振効果の威力だ。NEX-VG10/20でも18-200mmレンズでアクティブモードはサポートしているものの、動作はワイド端(最広角)の場合のみで、ズーム全域ではアクティブモードにはならない。ところがHDR-CX560Vではどの焦点距離にあってもアクティブモードが有効で、おもわずステディー装着なのかと勘違いするほどだ。 下のYouTubeは御堂筋イルミネーションをダッシュボードに置いたHDR-CX560Vで撮影したもので、最広角よりは少し寄ったサイズで撮影している。実はこのHDR-CX560Vに付いている14倍レンズはかなり広角になっていて、ワイドコンバーターの必要もない。 ※写真の液晶モニターにカラーバーが表示されているが、このカムコーダーにカラーバーの表示機能は付いていない。USB経由でメモリーにARIB COLOR BARを書き込んだものである。HDMIから出力して液晶モニターの調整などに用いている) 撮影は1080×60Pでシャッター速度は1/60に固定、フォーカスはオート及びマニュアルの使い分け。ホワイトバランスは太陽光プリセットをWBシフトで−4に設定。AEシフトは+0.7EVで行った。そして手ぶれ補正はもちろんアクティブモードON。YouTubeを見ていただいて分かるように、とても小型の民生カムコーダーとは思えない映像が撮れたと思う。というよりも放送業務用ではジャイロなど、よほどのことをやらなければここまで安定した映像にはならないと思う。それほど今の民生機は進んでいるといえる。 このカメラはスチル予算の空撮で、ディレクターの希望に沿うために購入したものだが、到底ウエスカムには敵わないが、ヘリコスリーよりははるかに安定した動画が撮れた。また00:15〜00:21のフォーカスインでも合焦時のズーミングも少なく使いやすい。 もちろんこういったカメラだけでは仕事は出来ない。メインはHDCAMやHDVとなり、来年はXDCAMEXでの撮影も行う。しかしHDRやNEXといった民生機をうまく使うことで、というよりもHDRで、NEXでなければ撮れない撮影もあるということだ。HDCAMでなければ、HDVでなければ、P2でなければなどと同じように、HDRのアクティブモードでなければ撮れない世界があるはずだ。そういったことを理解して、クライアントに提案できればよいと思う。当然人件費は従来と変わらないし、周辺機器については普通の撮影よりも加算される。しかしオーバースペックな撮影機材を使う必要はない。 このHDR-CX560Vだが、私が購入して二週間ほどして生産完了となって量販店からは姿を消し、ソニーストアでも入荷未定となっている。560Vにファインダーとゼブラ表示が付いたHDR-CX700Vは今もソニーストアで売っているが価格は当然高くなる。 そんな状態だがアマゾンには今もまだ在庫があるようだ。もう一台はアマゾンで買うしかないだろう。
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