2006年05月10日(水)
インテル 石
 インテル 石
 半導体のことを石というあたりはかなりオヤジだろう。
 1939年米国ベル研究所のRussell Ohlによってゲルマニューム半導体を使用した最初の電子素子であるダイオードが発明された。二極真空管(ダイオード管)と同じ整流作用を持った半導体だ。我々が子供の頃に作った鉱石ラジオの心臓部である。
 それから僅か10年足らず後の1947年にJohn Bardeen、Walter Brattainによってゲルマニュウム半導体を使って三極真空管(トランジスタ管)と同じ増幅作用を持つ点接触型トランジスタが発明され。ただし接触部が不安定なことからこの時は実用にならなかった。そして1951年にWilliam Bradford Shockleyによってゲルマニュウムに他の半導体挟んだ接合型トランジスタが発明された。そして日本でも研究が進み、1954年6月に東京通信工業(ソニーの前身)において点接触型、接合型両トランジスタを使ったトランジスタラジオの試作を始めるまでになっていた。10月になると、日本で初めてのトランジスタ、ゲルマニウムダイオードの披露会を千代田区の東京会館で開いた。トランジスタの歴史に興味のある人はSony Historyをご覧いただくとよいだろう。実はこの1954年は私が生まれた年でもある。
 話がそれた。元にもどそう。「インテル 石」の石だがSony Historyによると(以下青色部分は引用)
 「時計と同じように“石”(せき)を使ってはどうだろうか」という意見を出した。当時、機械(ゼンマイ)式の腕時計は、絶えず回転運動しているテンプ(時計の運行速度を制御する部品。軸にひがぜんまいが取り付けられていて、そも弾力で一定周期の往復回転運動を行う)などの軸受けが磨耗しないように、振動部や回転部の軸受けなどに、回転軸に使用される金属よりも硬く、表面が滑らかで摩擦が小さい宝石〈サファイアやルビー〉を加工して使用していた。その使用数の単位を石と呼び、石の数が多いほど高級と言われていた。「“石”とは名案だ」と井深も即座に賛同して、以後トランジスタの数は“石”で呼ぶことにして、一方ダイオードは、将来物品税の対象にならないようにとの配慮から石数に入れないことになった。
 ということだ。
 現在Pentium4 Socket478には1億2500万石、LGA-775で1億6,900万石、PentiumDでは2億3,000万石ものトランジスタが使われている。一昔前のPentiumIIの750万石、PentiumIIIの2810万石に比べると飛躍的に多くなっている。
 我々の生活に必要不可欠のコンピューターの心臓部であるCPUを支えるトランジスタは、かってのゲルマニウムから現在ではシリコンになり、珪素を原材料にしている。ゲルマニウムはゲルマニウム鉱石から精錬され、シリコンもまた身近な砂である珪石から得られる。やはりインテルは石とは切り離すことは出来ない。
 現代をコンピューター時代という人も多いが、我々は今、新しい石器時代を築いているのではないだろうか。

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| コンピュータ・IT系 |
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