2006年10月04日(水)
HDV撮影
 「HDV撮影」である。以前ならベーカム指定だった撮影がDVCAMやDVCPROになり、UNIHIがHDCAM、DVCPRO HDに変化してきた。そして今大きく変わろうとしているものがHDVである。
 HDVフォーマットのキャメラは1080iのHD信号をMPEG圧縮してDVテープに記録するが、480iのSD信号の場合も1080iのHD信号をダウンコンバートしてSD記録している。そのためハイビジョンに限らずSDにおいてもCCD(又はCMOS)の画素を全て有効に出来る。そのためDVCAMモードで16:9ワイドの場合は52画素クラスの放送用19:9キャメラに見劣りしない映像を記録できる。恐るべしHDVである。
 私の会社でもこれまで放送用ベーカム指定だったものが徐々にHDVでの発注に変わってきた。それは撮影費の低価格化になり、売り上げ低下を招くことになる。だがこれは機材費が安くなったのであるから当然で、クライアントにとっては非常に良いことである。
 しかしそのままでは技術会社はやってゆけない。新たな戦略が必要になる。そこで私の会社では従来の制作コストを維持するために特機を使用することを薦めている。クレーンやレール、そして空撮などだ。また超小型HDVキャメラを使用したオンボードキャメラである。これらのことを従来の2/3吋放送キャメラで行っていたのではHDCAMやシネアルタと同様の撮影コストとなり、クライアントにとって負担増になる。これをHDVで行うところに意味があるといえるだろう。特にジブ(ミニクレーン)を使用した撮影ではキャメラの質量が減少したことで放送用キャメラよりも良い結果が出ている。またミニジブに電動リモコン雲台を併用することで本格的なクレーンワークも可能になる。
 写真は昨日大阪市内で見かけたVPの撮影現場(他社)を偶然通りかかった私のスタッフがFOMAで撮影してくれたものだ。見るとABC PRODUCTSの軽量クレーンが使われ、先にDVX-100が付けられているのがわかる。*左の2名は何処と無く私が良く知る人物(照明&特機の会社)に似ているようだ。
 このようにVPの世界ではキャメラが小型化することに反比例して特機の使用が増えてきている。これが技術会社の新たな戦略である。これは営業的な戦略ではなく、より良い作品を創りたいというクリエーター達の挑戦といったほうが良いだろう。
 しかし「丸い月夜もただひと夜」ということわざがあるように、特機が使いやすくなったHDVであっても、いつまでもそれは売りにはなりえない。我々はいつも一歩も二歩も先を見て進む必要がある。さて次はどんなものが登場するのだろうか。
 今日から日本郵政公社の第32回「私のアイデア貯金箱」コンクールの撮影が始まるが、今年は16:9ワイドになり、使用するキャメラもHDVのHVR-Z1Jになる。そして他のイベントや制作ものでHVR-Z1Jは今月半ばまでフル稼働である。

2006年10月4日 | 記事へ | コメント(0) |
| 映像制作・撮影技術 / NEX・HDV・HDCAM |
コメントを記入  
お名前(必須)
 
パスワード:
 
メール:
 
URL:
 
非公開:  クッキーに保存: 
※非公開にチェックを入れると、管理者のみにコメントが届きます。
ブログの画面には表示されません。
captcha


※画像に表示されている文字を入力してください(半角・大文字/小文字の区別なし)。
文字が読みづらい場合はこちらをクリックしてください。
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク
 

PHOTOHITOブログパーツ


ニックネーム:SENRI
都道府県:関西・大阪府
映像制作/撮影技術会社
(株)千里ビデオサービス
代表取締役&
北八ヶ岳麦草ヒュッテHPの管理人です。よろしくお願いします。
色々出ます

»くわしく見る

バイオグラフィー