撮影技術会社のブログ@映像制作:大阪関西
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2007年02月24日(土)
J14×8
「
J14×8
」である。J14×8.5ではない。
とても古いレンズだ。千里ビデオサービスが登記した頃はJ13×9が一般的で、その後BVW-200が出た頃J-13aが登場し、しばらくしてインナーフォーカスのJ14aが出てきた。しかしJ14×8は廃番にはならず、NHK御用達レンズとしてななり後までカタログに載っていた。大きさはJ20aと殆ど同じで、14倍レンズとしては異常に大きなレンズだ。もちろん価格も14aの倍ほどでJ20aと変わらなかった。
何故にこのレンズが大きく高いかというと、光学設計にサイズと価格という制限を外したからである。小型化を目指さず、また光学ガラスにも蛍石(フローライト)を惜しげもなく使うことで当時最高の光学性能を出したのである。そしてこの性能は今のHDレンズに匹敵するものである。色収差はなく、撮像管時代に設計されたにもかかわらず、トラッキング調整の無いCCD時代でも十分以上の性能を誇っている。(トラッキング調整:撮像管の位置を前後させて、赤緑青それぞれの焦点に撮像面を合わせることで色収差を補正することだが、色分解プリズムに撮像素子を貼り付けた3CCDキャメラでは同様の調整が行えないために完璧な色収差補正が必要になった。この問題をクリアーしたレンズを当時CCD対応レンズと呼んだ。)
写真用のレンズには様々な名玉がある。例えばコマーシャルエクター300mm、ビオゴン38mmSWCやプラナー120mm、そしてエルマリート50mmなどだ。ところがTVキャメラのレンズにはそういうものは無い。しかしこのJ14×8だけは唯一名玉だと思う。古いレンズだが、最新のDVCAM DSR-450でEFP運用する場合はこれが一番だ。ただしインナーフォーカスになっていないため、スナップオンタイプのマットボックスが使用できないのは玉に瑕というものだ。もちろん前玉や後玉に傷などはない。先日知り合いに譲って欲しいと頼まれたが、これだけは絶対に譲れない。
2007年2月24日 |
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