2007年12月08日(土)
アツデンのFMX-42レポート
 アツデンFMX-42のレポートである。
 価格は安いが、音質等に問題はない。操作性もまずまずだ。風貌は価格以上だと思う。田村のTS-4000SもしくはAMX4Sをふた周りほど小さくした黒いボディーはけっこう精悍なイメージだ。仕上げも美しい。
 送られてきたデモ機に同梱されていた付属の専用ケースもなかなか良く出来ているが、ケースに収めるとファントム電源のON/OFFがやりづらい。また、ボリューム操作ではフリクションが少ないようである。もう少しボリュームに手ごたえが欲しいと感じた。ボリュームの耐久性については使い込まなければ判らないので今回は保留である。
 リミッターはチャンネル毎に装備されていて、ENGなどでは便利だが、チャンネルリンクが無いようで、音楽物のステレオ収録では定位が崩れるので使用は控えたい。というか、音楽物の収録ではリミッターは効かせるべきではないだろう。
 実際の運用で気になったのは入力レベルである。+4dBは標準だが、-30dBと-50dBというのは物足りない。トリムが無いので、感度の低いマイクでオフの場合は-60〜-70dBは欲しいとことだ。希望としては+4dB/-10dBまたは-20dB、そして-60dB〜-70dBの3段階で、出来れば20dBのパッドを装備してもらいたい。
 出力レベルについても+4dBはよいが、-36dBは中途半端な気がする。-36dBはワイヤレスマイクに入れるには高すぎるし、民生器のRCAには低すぎる、民生器用に-10dB及びマイク用の-60dBを選べるようにしていただきたい。しかし現状で仕事が出来ないわけではない。実用的には価格以上の性能は備えていて、CPの高さはダントツである。

 わたしがこのリーズナブルなミキサーに注目した理由はENGではなくEFPでの運用である。最近HDCAMやDVCAMで4ch録音の機会が増え、手ごろな8in4outのロケ用ミキサーを探していたからである。DC駆動が可能で小型軽量な8in4outのものとしてこれまでタムラのTS-4000Sを2台スタックで使用してきた。下の写真はハイビジョン中継車の内部に組んだ時のものである。

 これをFMX-42を2台スタックで使用できればかなりコンパクトになる。さらにコストは2台で25万程度と格安である。
 写真のように2台積んだ場合でも高さは10.5cmと低く、幅は22cmで奥行きも15cm程度である。来春にはソニーから4ch録音可能はHDVカムコーダーも発売され、8in4outのロケ用ミキサーの需要は増えるだろう。アツデンの新製品FMX-42は狙い目ではないだろうか。
 余談だが、アツデン及びゼネラル通商はENGミキサーの呼称を商標の関係から変更した。その結果生まれてきたSound Devicesのロケーションミキサーという呼び方は素晴らしい。ENGミキサーやEFPミキサーというよりも自然で誰にでも解りやすい言い方である。

2007年12月8日 | 記事へ | コメント(0) |
| 音声・録音・音響 / 映像制作・撮影技術 / NEX・HDV・HDCAM |
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