第1フィールドは偶数フィールド・第2フィールドは奇数フィールド
今日からゴールデンウィークに入った。とは言っても世間一般の話。GW中も大勢の人々が仕事をしている。そのうちの数名が今私の会社の編集室で作業を行っている。
写真は社会福祉法人のVPの粗編集をするSディレクター。
また、明日30日と翌1日は電子機器メーカーのVPの編集でを行う。で、私はといえばブログの更新?いやそんなことはない。ちゃんとDVDのオーサリングを行っている。ただし書き出し中に面白い話があったので少し更新することにした。
実は昨年11月14日に書いた記事「フィールドオーダー」でコメントを頂いた北浦堅次氏からメールを頂いた。添付されていたファイルは「第1フィールドは偶数・第2フィールドは奇数フィールド」を解りやすく解説した教材である。
インターレースのビデオ信号において、今尚フィールドに対して曖昧な認識があり、そのことを学生達に理解させることに苦労されてきたようだ。氏は毎日放送で制作技術局長まで務められ、その後(株)アイ・ティ・エス、(株)ベスト映像を経て、現在大阪芸術大学で教授を務められた方だ。その氏と電話も話したのだが、学生だけではなく、放送局においても第1フィールド=奇数フィールドと思い込んでいる人がいるということだ。おそらくこのブログを読んでおられる方の中にも第1フィールドは奇数・第2フィールドが偶数フィールドと思い込んでおられる方もいるだろう。
氏から送っていただいたFCCの「TELEVISION SYNCHRONIZING WAVEFORM FOR COLOR TRANSMISSION」の垂直帰線期間の規格図に、FIELD 1 OR EVEN FIELD、FIELD 2 OR ODD FIELDと明記されていた。NTSCの規格では「第1フィールドは偶数フィールド、第2フィールドは奇数フィールド」なのである。ただしこれでは誤解されやすいので次のような表現が解りやすいだろう。
順序に奇数、偶数を用いると混乱が生じるために最初の走査線を含むフィールドをトップフィールド(Top Field)、次の走査線で始まるフィールドをボトムフィールド(Bottom Field)と言い、ボトムフィールドで始まる規格をボトムフィールドファースト、またトップフィールドで始まる規格をトップフィールドファーストと言えば解りやすい。
しかしこれで全てが解決するかといえばそうではない。現在ではSDの他にHD、インターレースの他にプログレッシブがある。同じSDでもDV系はボトムフィールドファーストで、D1はトップフィールドファーストである。これはNTSC、PALとも同様である。そしてHDでは全てトップフィールドファーストが標準の規格になる。波形モニターをお持ちの方はラインセレクターで確認いただくと良いだろう。F2は右半分が21Line始まっている。つまり第1フィールドは偶数のラインで始まり、第2フィールドは奇数のラインが最初に表示される。
話を戻すが、解りやすい表現として「奇数フィールドを構成する走査線は偶数ライン、偶数フィールドを構成する走査線は奇数ライン」はどうだろうか?いや、ますますややこしくなりそうである。
ここで話をもっとややこしくすれば「DVのフィールドオーダーはボトムフィールドが先に表示されるボトムフィールドファーストなのに、DVD-Videoの規格はトップフィールドが先になっている。たまったものではない。エンコードの設定を間違えるとどうなるのか・・・・・。ご安心いただいてよい。DVD-Videoでは、MPEGファイルのフィールドオーダー違っていてもヘッダ情報の記述をもとにDVDプレーヤーがそれを判別して正しいフィールドオーダーで出力してくれる。間違えていてもカクつくこと無く再生できる。ただしDVDから直接取り出したファイルを扱う場合には時として反転が必要になる。
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