ビジョン3 HDV
「ビジョン3 HDV」だ。おそらくHDVのミドルクラス用ヘッドとしてはビンテンのビジョン3が最適ではないだろうか。私の会社ではHVR-Z1J、HVR-Z7J用としてビジョン3とマンフロット#505を使っているが、操作性は確実にビジョン3に軍配が上がる。先日機会があってマンフロット#519を使った。カウンターバランスがダイヤル式になっている#519はとても使いやすいが、若干の揺り戻しが気になった。パンの最後に手から力を抜くと少し戻る傾向があり、テレ端での撮影ではそれが顕著に現れる。その点ビジョン3ではピタリと止まって戻らない。これは#505でも同様でビジョン3に負けてはいない。ただし#505のロック機構は使いにくい。
よくビンテンとサクラーを比べて、完全バランスはビンテン、温度特性はサクラーと言われる。確かにビジョン10や11、100などのヘッドは低温ではドラグが硬くなって滑らかに動きにくくなる。それがびジョン3ではさほど気にならない。
写真はGW前に行った上高地ロケのものだが、気温が氷点下になる夕刻になっても滑らかなパンができた。ビジョン3は#505と同様にカウンタースプリングが連続可変ではなく、交換式になっていて、自分が使うカムコーダーの重さにあわせて選ばなければならない。バネは1kg〜10kgまで供給されていて、私の場合は日本ビデオシステムのアダプターを使って放送用の舟でビジョン3に載せている。またワイドコンバーターはセンチュリーの0.7倍に専用フードを付ける。この状態で3kgバネで使用している。ワイコンを外した状態でも3kgで問題なく使用できる。もちろんスプリングを交換してDSR-300クラスの軽量カムコーダーなら装着可能だがやはり75φのボールヘッドではHDVハンドヘルドのカムコーダーが適合する。パンの最中にボールがスリップしたりレベル調整の敏速さを考えるりショルダータイプのカムコーダーには100φのヘッドを選ぶべきだろう。
ビジョン3は価格的にもアルミ3段三脚のセットで20万余り、カーボン3段三脚のセットで30万弱で販売されている。HDVカムコーダーが60〜70万であることから当然三脚にはこの程度の予算は必要だろう。キャメラマンにとって三脚(ヘッド)は命だ。海外で三脚をCamera Support Systemと呼んでいることがそれを物語っている。ビンテンの三脚は足ではなくシステムなのだ。
上の写真はジッツォの4段三脚をボール仕様にしてビジョン3を取り付けた状態だ。三脚をケチっては絶対良くない。とにかくHDVにはビジョン3をお薦めする。中途半端な10万程度の三脚を買って満足できずに買い換えるよりも、キャメラマンの手足になれるビンテンを正しくメンテナンスして長く使う方が結局は得であり省資源に貢献できると考えている。
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2008年10月11日
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映像制作・撮影技術 /
NEX・HDV・HDCAM |
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