Ai Nikkor 45mm F2.8P パンケーキの人気は???
マニュアルフォーカスレンズの中で不思議に人気のあるAi Nikkor 45mm F2.8Pだが、人気の理由が理解できない。
光学系は私が35年程前に使っていたGNニッコールと同じ設計らしいが、標準レンズで3群4枚のテッサータイプということで、ガウス・変形ガウスタイプのものに比べて確実に廉価版に属する。もちろん甘いと言うわけではないがやはりそれなりのものだ。にもかかわらず人気があるのはミニモニ 矢口真里、辻希美、加護亜依の人気と似たようなものだろうか。小さいから、可愛いからというのであれば何もわざわざ重く大きな一眼レフに取り付ける必要も無く浜崎あゆみのルミックスで良いだろう。
趣味の写真だからこそ性能や機能に左右されることなく、タイプが合うというか、見た目が可愛いという理由で好きなレンズを選ぶことが出来る。しかし私が仕事でGNニッコールを使っていた頃は理由が違った。まだサイリスタを使った高性能はオートストロボは稀で、オートストロボはほとんどがバイパス用の放電管を持ったタイプであり、発光間隔は積層乾電池を使うマニュアルストロボを少量発光させる方が早かった。そうなるとスナップ撮影では絞り環と距離環がガイドナンバーで連結・連動するGNニッコールを選ぶことになる。ニコンFにグリップタイプのストロボとGNニッコールを付けたスタイルは少なくとも可愛いののとは言えなかった。ある意味逞しくて、男の道具といった印象である。ただし他のニッコールに比べてヘリコイドの向きが絞り開放側がインフとなり、いつも「これはGNニッコール」と頭の中で言い聞かせないとフォーカスを合わせる際に指が逆に動いてしまう。
話がそれたが、Ai Nikkor 45mm F2.8PのPはパンケーキの頭文字では無いらしい。CPU内臓でプログラム撮影に対応していることを表すようで、500mmF4Pや1200-1700mm f/5.6-8.0Pなどと同じPで、5枚玉を表すMicroNikkor P-Auto等のPとは異なっている。
さてこのパンケーキレンズの性能だが、PBASEに作例が沢山載っている。皆さんの評価はどうだろうか。
現在中古市場やオークションでは4万前後で取引されているようだが、その金額なら遥かに高性能なレンズが購入できてしまう。やはり歌手と同様、人気と性能は別物のようだ。
|