【SONY F-115 現場】での検索。F-115とは1974年に発売され、2003年に販売終了したソニーの防滴型の全天候ダイナミッマイクのこと。 発売当時標準プラグの付いたF115Aとキヤノンプラグが付いたF-115があり、さらにステレオ録音を考慮して特性が揃った2本をペアにしたF-2115があった。 私が最初に購入した学生時代は生録ブームで、デンスケとともにF-2115を買った。それから15年ほど後に会社を作った時に購入したものがF-115である。タッチノイズや風雑音に強く、もちろん防滴構造だから農作業の取材でも活躍した。全天候型の強靭なマイクだが一つ欠点があった。防滴構造ゆえにケーブルはコネクターを介さずに直接出ているのだが、このケーブルが癖の付きやす。音質には影響ないが、映像的には見栄えが悪い。癖が付いたケーブル外してカナレーのケーブルに交換した。1本はミキサーに接続するためにXLRコネクタのままだが、もう1本はワイヤレスマイクのトランスミッターに直接挿せるようにRAMSAのコネクターにしている。メンテナンスのおかげで今も現役でクリアーな音が収録できるが、見栄えが必要な場合はシュアーのSM-63Lを使う。あくまで無骨な全天候マイクである。 惜しまれつつ姿を消したF-115だが、それには理由があった。ソニーのサイトによると 「ソニーがグリーンパートナーということで、無鉛化をはじめとした環境対策に取り組むことになったのが理由です。プロオーディオの製品は何百種類にもなりますから、主にビジネス的な観点で優先順位をつけて対応することになり、残念ながらF-115の順位は下げざるを得なかったということです。サービスパーツを用意しておけば、10年ぐらいは大丈夫だろうとの判断でした。」ということだ。まさか環境問題から製造を終了したとは知らなかった。大変残念なことだった。 しかし2009年3月、放送界のサウンドエンジニアの復活に期待する熱い思いが伝わり、30年余り愛用され続けて姿を消した"防滴マイク"F-115が復刻モデルとして"防沫マイク"F-115Bが発売になった。 それは単に再生産というものではなかった。 すでに当時の設計者は在職せず、その状況からF-115の音、耐候性・耐久性、信頼性をそのまま復刻するために「プロジェクトX」クラスの苦労をされたようだ。 このことは「F-115B」誕生の軌跡としてサイトで紹介されている。読んでいるととても感慨深い思いになる内容だった。 世の中に出回っている製品、人が造った製品には必ずドラマがある。そしてF-115Bのドラマはエミー賞ものだと私は思う。
「ソニーがグリーンパートナーということで、無鉛化をはじめとした環境対策に取り組むことになったのが理由です。プロオーディオの製品は何百種類にもなりますから、主にビジネス的な観点で優先順位をつけて対応することになり、残念ながらF-115の順位は下げざるを得なかったということです。サービスパーツを用意しておけば、10年ぐらいは大丈夫だろうとの判断でした。」
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