【NEX-VG10 拡大アイピース】を昨日書いたが、ここでもう一つ、NEX-VG10用のLCDモニター拡大ルーペを紹介させていただこう。
NEX-VG10を三脚やショルダーリグに付けた場合はLCDモニターが近すぎて近くのものが見えにくくなってきた人には少々辛い。ましてやフォーカスを正確に合わさなければらないハイビジョンでは非常に眼が疲れる。そこでこんなものを作った。
3.125倍の拡大ルーペをUNのフレキシブルアーム(10年以上前にハレ切り用に買った物で正確な商品名は不明)でVG10に取り付けている。
拡大ルーペはケンコーのリアルスコープ 8×20用に持っていたマイクロスタンドに付いていた物。リアルスコープと合わせると25倍の顕微鏡になるが、単体では25÷8=3.125倍となるようだ。アームとの固定はインシュロックで行った。アームのアクセサリーシューに穴を開けてインシュロックを通しているので使用中にずれたりしない。
アームをVG10のアクセサリーシューに取り付けるとカメラ側が1cmほど長すぎて具合が悪かったが、アームの先のパーツを入れ替えると短い方がカメラ側に移ってちょうどいい。このアームは先端部の取り付け方法が共通のためにパーツを付け替えることが出来た。最初の写真は斜め上から覗く状態だが、下の写真のようにアイレベルにもなる。フレキシブルな調整が可能である。
ルーペのコーティング面の反射を見るとレンズは1郡2枚構成のようだが精度は非常によく、周辺での色滲みは殆ど無い。そして視野角も広く出来ている。
マグニファイヤーを取り付けたファインダーが有効画素数 1,152,000ドット相当であるのに対してLCDモニターは総画素数921,600ドット相当で、このルーペで見ると各色のドットがしっかり見える。とはいってもフォーカスは大変確認しやすい。ワンマン撮影ならHDMI入力を持った外部モニターを接続するよりもビルトインLCDモニターを拡大した方がお手軽でかつ高精細である。NEX-VG10のLCDモニターは921,600ドットのその内訳は1920×480となっている。ということは水平方向ではFULL HDをサポートしていることになるのか?と思ってソニーに確認したところ、回答はRGBのそれぞれを数えているためにRGBを一組を1ピクセルとすれば1/3となって640×480ピクセルだそうだ。業務用のHVR-Z5JやZ7Jでも約92.1万ドット (1920x480)という表記が行われているが、1920という数字のマジックである。RGBそれぞれを個別に数えれば1920ではある。
ここで液晶モニターの画素/ドットについてシャープの技術情報を引用しておこう。画素/ドット
表示のための基本単位。液晶パネルでは、RGB<Red・Green・Blue>3点(ドット)をまとめて1画素と言う。
(RGB各1点ずつを1画素と言う場合がある。)
<日本電子機会工業会(EIAJ)規格[現在は電子情報技術産業協会(JEITA)]では、RGB3点を1画素としている> 電子情報技術産業協会の規格に準じた表記を行うならNEX-VG10やHVR-Z5J/Z7J、S270などは640×480画素ということになる。ビルトインのLCDモニターであっても同じ液晶だから表記の規格は揃えてもらいたい。というか、これは揃えなければならないだろう。
上でこのルーペで見ると各色のドットがしっかり見える。と書いたがドットが見えて当然のことである。しかしこのLCDモニターの画像を現在使っている5.6吋(1024×600画素)のikanと比べて見劣りするどころか、より高精細に見えるのはソニーのTruBlackテクノロジー3.0型エクストラファイン液晶ワイドモニターが非常に優れていることに他ならない。再度申し上げるが、このLCDモニターを約92.1万ドット (1920x480)と表記するべきではなかったのではないだろうか?
話がわき道に逸れてしまった。
さて、このLCDルーペを屋内で使用する場合は問題ないが、屋外で覗くとLCDに当たる外光がけっこう邪魔になる。そこで外光を遮るために次のようなフードを装着する。
これは先だってHVR−Z5J用のショルダーリグを作った時に使ったソニー純正のZ5J/Z7J用のLCDフードの残りものを利用している。フレームを外した残りのために大変軽量でVG10の華奢なLCDモニター取り付け部のフリクションでも自重で垂れ下がってきたりはしない。
NEX-VG10はフォーカス周りが未完成だと不評を聞くが、私にとってはこの未完成さがとても面白いし、これほど楽しめる機械も珍しい。だか、もしもごれが業務用・放送用カムコーダーならリコールもありえるだろう。
今回はたまたま手ごろなパーツが手元にあったためにVG10を仕事で使えるところまでチューニングできただけであり、ソニーには出来る限りユーザーの声に耳を傾けてファームウエアや周辺機器(拡大アイピース、LCD遮光フード等)でユーザーの気持ちに応えていただきたいものだ。
参考までにケンコー光学ショップのアウトレットにリアルスコープ用のマイクロスタンド(LEDライト付)が有った。リアスコープが付いていないので意外と安い。
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