2010年11月08日(月)
ソニー報道発表 PMW-F3 PLレンズ3本付きで約200万
【新開発のスーパー35mm相当“Exmor”CMOSイメージセンサーを搭載し
PLレンズに対応したデジタルシネマカムコーダー『PMW-F3』シリーズを発売】


パナソニックのフォーサーズカメラに続いてソニーからも出てきた。とにかく安い。ある意味安すぎるともいえる。
おもわず「買い!」と決め込みそうになるが、チョット待った!

確かに製品は素晴らしく、PLレンズが3本付いてこの価格は脅威だ。さらに収録ファイルはAVCHDではなく、MXF準拠のXDCAM EXと同じ。さらにオプションを搭載すれば4:4:4のHDCAM SRへの出力も出来る。パナソニックのAF105の倍ほどの価格だが、その分格も違う。それがレンズも3本付いて200万ほどだからすぐに飛びつきたくもなる。
だがこのカメラを使う頻度を考えると二の足を踏んでしまう。というのもこのカメラを使う仕事ではカメラマンの他にセカンドは必ず必要だろうし、ズーミングよりはトラックショットということで特機も必要になる。もちろん照明部は絶対に必要だ。つまり機材は安くても撮影は大掛かりになる。普通の取材ではやはり高倍率のズームレンズや超広角&高倍率のショートズームを付けたENGカメラが中心になる。つまり稼働率が低いということだ。
東京はともかく、大阪ではこのカメラでなければ撮れないという仕事は限られるだろう。月に3〜4日稼動するのであれば2年ほどで機材費は回収できるだろうが、1〜2回程度ならばレンタルで十分対応できるし、映画機材のレンタル会社には高価なPLレンズや周辺機器が豊富にある。もちろん特機やVEさんも、それに車両もお願いできる。その場合はもちろんグロス計算も可能だ。

今回発表されたPMW-F3はとても魅力たっぷりの製品ではあるが、ここは冷静に判断する必要があると考えた。しかしこれが仕事ではなく趣味で風景などを撮影する人にとっては小型軽量ということも考えるとかなり面白いカメラになるだろう。価格もニコンのデジタル一眼レフのフラグシップ機D3xと高性能レンズ数本分ということであり、そのうち趣味でPMW-F3カメラやパナソニックのAG-AF105で撮影する人も出てくると思う。なんといってもこのPMW-F3の価格は最近の高級ミニバンの半分なのだ。
私の場合「このカメラを買いますか?」と聞かれれば答えは一つ「絶対に買いません」と返事するだろう。しかし「そのうち必ず使います」とも。
お付き合いのある機材レンタルの会社が複数台導入してくれることを期待しておこう。

このカメラは標準マウントアダプターはPLマウントになっているが、根元は既に発売されているカムコーダーのマウントらしい。つまりPLマウントが固定されていればPLマウントよりフランジバックが短い35mm一眼レフ用のレンズは装着できないが、マウントアダプター形式であることで様々なレンズに対応できると考えられる。間もなくinterBEEが始まるが、その時にはPMW-F3の全貌がわかることになるだろう。


2010年11月8日 | 記事へ | コメント(0) |
| 映像制作・撮影技術 / NEX・HDV・HDCAM / CEO・映像技術職人 |
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