2007年03月21日(水)
ジャイロ ジンバルとは
 「ジャイロ ジンバルとは」というキーワードだった。ヒットしていたページは「手軽な予算でステディーショットを実現するグライドカム 4000 Pro+スムースシューターの紹介」という長ったらしい名前のページだ。
 このページに紹介しているグライドカムを導入するまでは、なんとかジンバルを自作もしくは何らかの機械から流用してステディーカムを自作できないかと考えた。
 当時ステディーカムにはEFPというモデルと比較的小型のSKというモデルがあった。ステディーカムSKでも完全一体型のベーターカムならなんとか乗せることが出来、たまにレンタル会社から借りて使っていた。では何故自作を考えたかというと、ステディーカムが余りにも高価だったからだ。そして借りるたびに自社のキャメラ重量に合わせる調整がやっかいだったからである。
 ステディーカムのように移動撮影用のスタビライザーでには心臓部が2つある。一つはキャメラの重量を打ち消すためのカウンタースプリングだ。これはちょうどアームライトのスプリングのようなものだ。そしてもう一つがジンバルである。このジンバルとは三軸ジャイロと呼ばれ、XYZの各方向の回転軸が一点で交差しなければならない。一つの軸の回転部について言えば、ちょうど自転車の車軸にあるハブや、ペダルの回転軸にあるボトムブラケットのベアリング軸のようなものである。ところがジンバルとなると構造が複雑になる。色々考えたが、無駄な努力をするよりも既製品を購入することの方が良いという事になった。専用化したおかげで自社のキャメラに合わせたポジションを決めることが出来、スピーディーなセットアップが可能になった。2月に購入したグライドカム4000Pro+スムースシューターは今日の病院ロケまでに5日稼動している。病院ロケにステディーショットが喜ばれるのはやはりERの影響だろうか。
 自作の話に戻るが、上でも自転車を例に取ったが、ジンバルはどこか自転車のパーツに似ている。そこで思いつくのがナショナル自転車だ。大阪の柏原市にあるナショナル自転車工業は昨年パナソニックサイクルテックに社名変更し、松下グループでもその歴史は古く、創業は昭和27年4月27日である。自転車一筋50年といったところだ。また、松下の創始者である幸之助氏が自転車店に丁稚奉公していたことや、自転車用の砲弾型電池ランプの開発などは逸話となっている。私が何故この話を持ち出したかといえば、パナソニックのビデオと自転車のコラボレーションを期待しているからだ。ナショナルのビデオキャメラと、同グループの自転車工業が全く新しいキャメラスタビライザーを作ってくれないだろうか?という期待である。電子技術の雄と金属加工の雄が作る移動撮影用スタビライザーとはとてつもなく素晴らしいものになるだろう。
 東大阪の機械技術は世界で高く評価されている。城東区の金属加工会社の技術もオンリーワンと評価されている。諏訪の精密加工技術が世界に知れ渡ったように、大阪も世界をリードする工業技術を誇っている。全てのものが開発され尽くしたように見える昨今だが、異業種のコラボレーションが進めば、今以上に画期的な製品がいくらでも生まれてくるはずだ。携帯電話のバイブレーター用モーターが小さな町工場で生まれた話のように、まだまだ多くの夢が埋もれている気がする。
 昨日私の会社に日本ビクターが海外のみで新発売したハイビジョンキャメラが届いて、月末までの空いた時間を使って製品の運用試験を行う。初見での印象はGood !!ファインダーがものすごく見やすい。他社の高額なHDVに付いているファインダーとは雲泥の差が有った。フォーカスもCRTと同等に気持ちよく取れる上に残像も無い。つまり60Pと30Pの差がはっきりとわかルファインダーだ。ナショナルのバリカムと似た感じだといえば良いだろうか。そして担いだ印象は普通の肩乗せと同じバランスである。NPケースにNP型のリチウムを入れてショートズーム(フジノン3.5mm13倍)をつけてもバランスは良い。ただ私には少し全体重量が軽いようで、BP90をつけた方が楽に担げる。ボディーの剛性感は他のHDV機とは全く別物で、放送機器のそれと同じものを持っている。私が宝物にしている少し古い2/3吋用のJ-14×8という2kgを超えるEFPレンズを取り付けてもマウント部分の強度に対する不安は感じない。剛性やバランスもさることながら、放送用のバッテリーを使えることが嬉しい。私の会社では2/3吋一体型キャメラにV座で使えるリチウムバッテリーを使っているので便利だ。
 ビクターGY-HD250だが、久しぶりにワクワクする製品に出会えた気がする。既存の技術にとらわれない新しい発想を生み出すビクター技術陣の開発精神を見たようだ。このハイビジョンキャメラを見ただけでも、まだまだ多くの夢が埋もれている気がする。大企業が最近流行になっている人材派遣に依存した体制を脱却し、人を育て、また社員とともに伸びてゆくのであれば、今後も多くの夢が実現していくはずである。


2007年3月21日 | 記事へ | コメント(5) |
| 未分類・エトセトラ.etc. / 映像制作・撮影技術 / NEX・HDV・HDCAM |
なんか細長〜い印象のHD250ですよね。
ショルダー部分に重心があっても、重量物はバッテリーとレンズで両端にあるから、肩載せでティルトしたときの挙動が派手じゃないですか?
っていうか、写真見る限り船がかなり後方にシフトしてますね・・・。
>なんか細長〜い印象のHD250ですよね。
ショートズームを付けるとむちゃくちゃ長いですよ。
このレンズは1/3用なのですが、縮小光学系を入れたタイプのようで、2/3吋用よりも長くなっていますね。
>真見る限り船がかなり後方にシフトしてますね
その通りです。このヘッドの位置が重心ですから、担いだ場合は前が重くなります。楽に担ぐにはBPをつけた方が安定します。このレンズで長時間担ぐと疲れるでしょうね。付属の16倍レンズだとNP型リチウムでショルダーパッドの上に重心が来ます。ただし16倍のレンズはかなり安っぽい作りです。やはり全体重量が軽いので、装着するレンズやバッテリーによってバランスが大きく変わるというのは欠点でしょうね。
おはようございます。

いつも訪問ありがとうございます。
今回はまた記事にしていただき感謝しております。

本当にありがとうございました。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
おはようございます。

紹介記事を
http://mitsumoto-bellows.keikai.topblog.jp/blog/a/10003900.html
こちらに書かせていただきました。
素晴らしい仕事をされていると常々思っております。
私も高嶋さんを目標に頑張っていこうと思っています。
http://mitsumoto-bellows.keikai.topblog.jp/blog/a/10003900.html
経営者の人に読んでもらえると嬉しいですよ。
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