2008年04月01日(火)
HVR-Z7J
 知り合いがHVR-Z7Jを買った。

 なかなかいい風貌をしていた。一通り触ってみての印象はちょっとNGである。ズームが機械式マニュアル操作になったのは良いが、粘りが全く無い。これでは思い通りの手動ズームが出来ない。素早いズームはこれまでのZ1Jとは違い、一瞬で寄り引きできるが、滑らかなスローズームは不可能だ。電気を使えば良いといわれるかも知れないが、電動ズームをカメラマンは望まない。サーボコントロールを使うカメラマンもたまに見かけるが、一般撮影でズームリモコン(※ステディーカムやクレーンではズームリモコンは必須)を使う人の殆どはアマチュアか駆け出しのカメラマン、もしくは国営放送のカメラマンくらいである。Z7Jが完全マニュアルズームということであれば、設計段階で粘りに拘ってもらいたかった。マニュアルズームの操作性については改善すべき項目であることは否めない。

 もうひとつ気になる点があった。それはABのショットトランジションである。Z1Jではオートトランジションのイーズイン、イーズアウトが設定できた。「HVR-Z1Jに搭載されていたショットトランジションが、さらに進化。」とういうことだが、Z7Jではトランジションのメニューの何処にもトランジションカーブ(リニア/ソフトストップ/ソフトトランジション)の設定が見当たらない。
 ゆっくりと動き出して最後はゆっくりと停止する。これはスローズームの基本である。今日手にしたZ7Jは唐突に動き出して唐突に停止する。もしかすると何処かのメニューにトランジションカーブの設定があるのだろうか。この点については無責任なことは言えないのでソニーに問い合わせて結果を報告したい。
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 昨日の件をソニーに問い合わせた結果報告である。
結果は「ソフトトランジションは割愛されている」そうだ。下の図はXDCAM EXの解説だが、これは民生器のFX1や業務用のZ1Jと同様の機能で、図のようにズームやフォーカスがスタート時にゆっくりと加速し、停止時にもゆっくりと減速して停まる。

 この機能がZ7Jで割愛された理由は「判らない」ということだが、もしかするとレンズ交換式になったことが要因なのかもしれない。いずれにせよ、マニュアルズームが軽すぎることと、ショットトランジションのカーブ設定が無いことが私にとってZ7Jを選択肢から外す大きな理由になることは確かだ。同時にここにきて再びXDCAM EXに食指が動き始めたことも確かだ。特にXDCAM EXにHDRを搭載して長時間記録を可能に出来ることを考えれば益々XDCAM EXの魅力が一層増してくる。
 ソニーの担当者は「トランジションとズームの粘りについては技術に報告しておきます」ということだが、はたしてそれが反映されるのかどうかは判らない。また、ズームを電動モードにした状態でリングを手動で回すことはメカに悪影響があるということで「お薦め出来かねます」という回答だった。
 後日、システムファイブからもショットトランジションについての資料が届いたが、やはりソフトトランジション等の項目は無かった。そしてここ最近、このブログのアクセスログにSONYの非公開IPを持ったサーバーからのアクセスが50件以上ログされている。もしかすると何らかの進展が期待出来るかもしれない。

2009.1.5追記
HVR-Z7Jの購入も検討してきたが、幸いにも友人の他レンタル会社にも数機導入されたため私の会社ではHVR−Z5Jを12月に導入した。それはZ7Jを否定するものではなく、Z7Jの魅力はなんと言っても機械式マニュアルズームである。一瞬で思ったサイズに画角を決めることが出来る点だ。Z5Jには絶対まねは出来ない。しかし20倍を備えたZ5JのまねもZ7Jには難しい。つまり使い分けが必要である。ちなみにZ7Jの1日のレンタルは1万〜1万5千円。必要に応じてレンタルで足りるのである。
下記にZ5J関連記事をアップしているのでご覧いただくと幸いである。

http://blog.zaq.ne.jp/senri/article/796/
http://blog.zaq.ne.jp/senri/article/801/
http://svs.ne.jp/hibi/058.html

2008年4月1日 | 記事へ | コメント(10) |
| 写真撮影・カメラ機材 / NEX・HDV・HDCAM |
お疲れ様です。
うーふむふむ,,,自分はビデオは雑誌オマケ用の
ウィンドのDVDをXV2で 作った程度です。

この電動ズームが swm と共にスチールにも
来たら、キモイっす。勝手にフレーム決めるな
って怒りそうで。 明日は海で本業撮ってきます。
後、自分 相当ノーファインダーを多用してまして、

それもフィルムで、ポールとか 広角水面下
など、デジグラさん達は 真似してましたが、AFで
自分はMFの イメージ毎に距離変えて。釣り本で、
跳ねる魚の向こう側から釣り人も入れて、魚は
どこで跳ねるか 予測というか、魚を見て追って
ないと自分の絵が出来ないし、でも大概 OKで、
その水中版の魚がこっちに突進とかギラリとか
倍数計算でやはりMF固定でした。
ウィンドのターンとかも ポール楽しいですよ。
魚の時は よく 「 なんで 撮れるの?」等、よく
聞かれましたが真顔で「 手にも目があるんじゃ 」
って言ってました。自分も完全ジジィです。
サーボにして、手動で強引にズームすると良いですよ。
hikaruさん、はじめまして。
>サーボにして、手動で強引にズームすると良いですよ。
そうですね。
以前その方法を行いましたが、スローはいけますね。
ただ、適度な速さとなると難しいです。それとその方法についてソニーに聞いた限りでは減速機構のギアに無理がかかるのでやめて欲しいとの事でした。
ENGレンズのYJ13やYJ19もトルクが無くて困ります。
2010年11月29日(月) 00:22 by どっぐす
このZ7j、ズーム機能に関しては確かに軽いですが、激しい動きの撮影に関してはこの軽さが利点です。
ズームの粘りはある程度あった方が良いですが、(PanasonicのDVX-100のように触っただけでズームリングが動くのは困ります)ゆっくりしたズームも技術があればできます。
ここにクレームをつけるなら、自分の技術を磨いた方がよろしいかと思います。
マニュアルズームはプロカメラマンの免許のようなものと思っていますので。
2010年11月29日(月) 00:54 by どっぐす
ちなみにサーボの状態でマニュアルズームを無理やりやるのは、機材が50万単位のものということを認識できないアマチュアさんです。こういう使い方をするとすぐにカメラは故障します。
それをメーカーにクレーム言っても仕方ないです。
初心者よりもアマチュアの人の方が機材の扱い方を知りません。
カメラの特性をつかんで使いこなす技術を習得するのがプロの姿勢です。
どんなカメラを使おうが、マニュアルズームを仕事としてきちんとできるのは3年かかります。どんな便利な機材が出ても技術の習得に近道はありません。
どっぐすさん、こんばんは。
Z7Jを使機会が増えたことと慣れなんでしょうね。
みんなスローズームが上手になりました。
一番よく使うZ7Jはソニーで少しトルクを増やしてもらったらしく、
とてもいい感じです。レンタルで借りる分についてはやはり軽すぎるようです。
けれども一瞬の速いズーミングはデジの中ではZ7JかZ270でなければ出来ません。しいて言えばもう少し鏡筒が細めだといいんですけどね。
>マニュアルズームはプロカメラマンの免許のようなものと思っていますので。
そのとおりですね。幸い出入りしているカメラマンも全員電気は使わない人ばかりです。
>ちなみにサーボの状態でマニュアルズームを無理やり
実際に壊した人が居るようですね。
ソニーも減速機構のギアに無理がかかるのでやめて欲しいといっていますし、機構を考えれば厳禁ですね。
以前試しにやってみましたが、動きはじめと止まりは普通どおりに操作する方が綺麗です。
それに最近はHDやSD16:9が普通になってきて、演出もズームするカットが減ってきました。ただしステージものではHDでもズームの機会は多く、レンズのメンテは重要だと思います。
2010年11月29日(月) 23:53 by どっぐす
senri様。 そうですね。まさにステージものではマニュアルズームが自在に操れるかが勝負と思います。特に演劇などは、とてもオートで追いきれるものではありません。
自分のやり方ですが、ズームリングが軽いカメラのコツは、指の半分をカメラ本体、半分をズームリングに乗せて、本体側にやや力を入れて自分で粘りをつけるようにしています。
むしろ自分はこういうステージものの撮影で、Z7Jでピントを合わせる方が困難に思っています。HDカメラ全般に言えることですが、現場の照明が暗い時にピントがオートであると、以前のPDシリーズやDVXに比べて非常にボケやすいです。
ハイビジョン画質はちょっとしたピンボケがシビアに出てしまうので、SD画質のカメラよりピントが合わせにくいことに、メーカーにクレームを出したい気分です。
視聴環境が鮮明になっているのに、撮影機材が後退している部分があると思いますが、そういう使いにくい部分とどうやってつきあっていくかが、これからの課題かと思っています。
ちなみに自分は最近Z5Jでステージものを撮影しましたが、Z7Jよりはるかに優れた印象でした。
2010年11月30日(火) 00:37 by SENRI
どっぐすさん、こんばんは
>Z7Jでピントを合わせる方が困難
HDのデジはこの部分が最も弱いと感じます。
私はHDCAMのモノクロが一番見やすいと思います。
1600のカラーファインダーも色が判っていいというカメラさんもいますが、長時間は眼が疲れるようです。
ピンともそうですが、ステージの撮影では液晶の光がまるで客席の携帯電話や民生カメラのように光るので若い人には深型フードを使用してもらってます。
http://svs.ne.jp/hibi/IMAGE/20090923/01.jpg

老眼が出てきた年配者にはルーペを用意しています。
↓トヨビューのルーペとソニーの遮光フードの枠を使ったオリジナルもの
http://svs.ne.jp/home/svs/home/genba/CompilaRIG/DSC08798.jpg

↓CAVISIONの3.5インチ用ルーペ
http://svs.ne.jp/hibi/IMAGE/20101113/04.jpg

光が漏れないし、何よりもピントがよくわかります。

ステージでは20倍レンズはいいですね。
最近NXCAMもいいなと思っています。
2010年12月01日(水) 02:51 by どっぐす
senri様
わざわざ画像を載せて頂いてありがとうございます。
コレ、屋外撮影で欲しいですね。
ステージものでは液晶を使わず、ファインダーで自分は撮影しています。結局ピントはCAMカメラの白黒が一番よくわかります。
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ニックネーム:SENRI
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