2011年10月25日(火)
様々な撮影があるが、制作会社が指定すれば、カメラマンの好みには関係なくカメラは決められる。放送だから必ずHDCAMということは全く無く、HDVが指定されたり、P2であったりもする。特に制作会社からのオーダーでは局納品がHDCAMであっても制作会社の編集環境によるものと思うが、HDVやP2が指定されることもかなり多い。また最近ではEOSも指定される。また局デスクからのオーダーでもHDCAMに限らず、HDVが指定されたりする。
いずれの場合も撮影技術費はカメラ機材費が変わるだけで人件費は変わらない。あとはスタッフ人数や照明、特機、周辺機器のボリュームによって決まる。
HDCAMはHDW-700Aから更新したHDW-750を1台自社保有しているだけで、複数必要な場合はレンタルで対応する。私の会社のように小さなところではレンタル会社にお世話になるのは当然である。まず1台あれば何とかなる。そしてベーターカム一体型のカムコーダー時代からずっと継承された操作性は何より安心で使いやすいカメラだといえる。
これはHDV第二世代のHVR-Z5J。初代のHVR-Z1Jと並んで非常に稼働率が高い。Z1JでもZ5Jでもきっちり使えば番組はもちろんCMにも使用できる。この二機種には非常に滑らかな超スローなズームが可能なショットトランジション機能が搭載されていて、いわゆる「ジワズーム」が静止部分の長さ、ズーミングの長さを数値で指定できる。上位機種のZ7JやS270では出来ない滑らかなスタート・ストップのカーブ(イーズイン、イーズアウト)も設定できる。またZ5Jでは60iだけではなく30Pや24Pも設定可能であり、さらに滑らかなスローモーションが可能なSmooth Slow Rec.機能も搭載されている。もちろんガンマカーブや色調整、スキンディティールも備えていて「HDV恐るべし」といわしめたカムコーダーである。先般撮影したCMでもZ5Jの機能を使いこなすことで制作会社やクライアントには大変喜ばれた。
HVR-Z5Jの機能を飛躍的に高めているのがRM-1000BPというリーモーとコマンダーである。ズームやフォーカス、アイリスだけではなく、ショットトランジションやスムースレック、ピクチャープロフィールの設定が本体で行うよりも遥かに使いやすくなり、結果的に撮影時間の短縮が出来る。
Z5Jでの撮影現場はこんな感じになる。CMではHDSDIで技術モニター、HDMIで制作モニターに出力する。
CMではRED ONEやARRI、シネアルタが定番だが、フォーカスプラーはおろか、セカンドやサードも付けられない小規模撮影ではこういった機材が重要になる。
また民生機として登場したデジタル一眼のNEX-VG10(まもなく60Pや24Pが撮影できるNEX-VG20も発売される)などはHDCAMでは不可能なシフトレンズやチルトレンズ、そしてマクロレンズやベローズを使った撮影を可能にする。もちろんオンボード用のGoProHDや豆カムHDなども撮影次第では最適機材として選択することがある。
写真は民生カメラのEOSを使ったインフォマーシャルの撮影。商品に糸巻きや樽型の湾曲収差が出ては具合が悪いのでEOSが選択された。
撮影という仕事では予算はもちろんだが、演出意図、撮影方法に合わせた適材適所の機材選択、対応がとても重要でではないだろうか。
一部の制作の方には(制作に限ったわけではないが)「機材が良いと作品のクォリティーが上がる」と思われる方もいるようだが、撮影に最も適したカメラを選ぶことこそが作品のクォリティーを上げることだと信じている。もちろんテクニックも重要だし、センスも重要。さらに演出意図をいかに理解するかがなによりもカメラマンに求められることだと思う。昔々のことだが、私がまだ駆出しの頃(今も大して変わらないが)
演出に「どんな感じに撮りましょうか?」と聞いて「それはカメラマンが考えることやろ!」と怒られたことがある。
どんな感じ、どんなアングル、どんな画角、どんな色、どんなカメラワークで・・・・
まずは考えることが一番大切なこと。演出意図を正しく読み取って理解して「どんな」を解決するのが我々の仕事だ。そして経験や技術、カメラの機能や性能がそれを支えてくれる。
実は先ほどの昔の話だが、数年後にその演出から「ぜんぜんプランが無かった・・・・あの時は助けてもらった」と聞かされて驚いた。
今もあの時の言葉「それはカメラマンが考えることやろ!」はその後のカメラマンとしての生き方に大きな影響を与えてくれた言葉だったと感謝している。
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2011年10月04日(火)
昨日はCMの撮影だった。15秒の外食大手の地上波OAだ。
ただし予算が厳しい。当初PMW-F3を提案した。
却下された。
ギリギリの選択で決まったのがHDVでの撮影。ブロックノイズを考慮してテープとメモリーの同時記録。
HVR-Z5Jのテープでのみ可能なハイスピード(オーバークランク)でのスローモーションは一旦テープに記録したものを現場でメモリーにダウンロードした。
今回の予算会議で譲れなかったものはスタッフたった。最低限撮影部2名と照明部2名は必要と押し切った。
モニターは技術用にHD-SDIのブラウン管モニターを用意した。制作モニターは制作さんに自前でLED REGZAの22インチを用意してもらった。
実はそれが良いモニターだった。LEDバックライトのおかげでとても明るくきれいに見える。さらに100%の視野率で見える。クライアントに見せるにはもってこいだ。
オンエアの確認ということではクライアント用には少し派手な民生モニターが好まれるし、視聴者のことを考えても民生機での確認は重要だ。
事務所に戻って早速調べてみた。
19インチと22吋のものが安かった。ともにHDMI入力は2系統だそうだ。これは買いである。
撮影に使ったHVR-Z5JといえばもはやZ5Jには見えない(笑)
HDMIからHD-SDIへの変換にはブラックマジックデザインのミニコンバーターHDMI toHDSDIを使用している。今回は使用しなかったがHDW-750のHD-SDIをHDMIに変換する場合はHDSDI to HDMIを使用する。これでHDCAMの出力が民生テレビで再生可能になる。
ちなみにブラックマジックのミニコンバーターは3年間の交換保証が付いている。故障した場合は修理対応ではなく良品に交換だ。電源が入らないとか、信号が出ない場合などは不良品が到着した日に良品が発送されるそうである。
厳しい現場だったが制作さんと知恵を合わせることでなんとか切り抜けることが出来た。ただしHDVで地上波用のCMを撮影していいかどうかはいささか疑問の残るところ。というのもニキビ予防のCMにはRED ONE、ハリウッドスターが登場する軽自動車のCMにはARRIが登場している。つまりクライアントも現場で使われているカメラはどういうものかを知っているのだ。
ただ、逆を言えばHDVの持つ能力がかなりのものともいえる。
ここで大きなニュースがある。
ソニーがまたやってくれた!今度はRAWデータでの記録が可能なシネアルタ。さらに価格は従来のモデルの半額以下だから驚きである。
2012年はハイエンドもローエンドも益々面白くなる映像の時代ということだろう。
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2011年10月01日(土)
NEX-5を使っているが、動画がオートのみということで不満があった。
最近出たNEX-5Nでは「NEX-5Nは、P・A・S・Mの露出モードでも動画撮影を楽しめます。」 ということで、自動のみという不満は解消。さらに「イメージセンサーからの読み出し速度が約60fps(59.94fps)に向上したことにより、APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したレンズ交換式デジタルカメラとしては初めて(*1)、60pの滑らかなフルハイビジョン(AVCHD Ver.2.0、1920×1080)動画撮影に対応。」 ということである。もはやコンパクト一眼デジカメではなく「動画撮影機の撮像部分」であるといって過言ではないと思う。
コンパクトながらレンズ交換が出来てマニュアル露出、60Pだけではなく24Pも可能だ。NEX-VG20やNEX-7も良いが、まずはNEX-5Nゲットである。
どうやら今回は娘がプレゼントしてくれそうな気配だ。
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2011年08月24日(水)
噂のNEX-VG20が正式発表された。
仕事で使用しているNEX-VG20+オリジナルショルダーリグ
60pモードでの高精細映像や、24pモードとシネマトーンガンマ(TM)・シネマトーンカラー(TM)でのフィルムテイストな映像記録など、さまざまな映像表現が楽しめるようになりました。加えて、最高約6コマ/秒の高速連写機能やRAW画像撮影機能も搭載しているので、高画質な静止画撮影も楽しめます。
31段階の音声レベルコントロールが可能になりました。液晶パネルに表示されるレベルメーターにより音量調節も可能です。
グリップ上部にある2nd S/Sボタンや4倍の拡大フォーカスボタンを使えば快適に撮影できます。
露出をフルマニュアルコントロール可能です。また、ゼブラパターン表示にも対応。さらにマニュアルフォーカスによるピント合わせも、ピーキング機能に対応するなど、充実のマニュアル機能で独自の映像表現を追求できます。
外部モニターなどへのHDMI出力時においても、液晶画面の表示を消すことなく撮影することが可能です。
約3倍のAFの高速化(*2)を実現。Eマウントレンズは、マクロレンズやポートレートレンズなど新開発レンズ4本が加わり、計7本とラインナップもますます充実。さらに、「トランスルーセントミラー・テクノロジー」とAFモーターが搭載されたマウントアダプター「LA-EA2」(別売)を使用することで、Aマウントレンズ(*3)にも対応し、フルタイム・コンティニュアスAFを実現。動きの速い被写体も確実にAF追随し、スムーズで高速なピント合わせを可能にしました。
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2011年08月13日(土)
今日カメラのキタムラでDSC-HX9VとDSC-HX7Vを見てきた。
コンデジもついにここまで進化したと感じた。とにかく凄い。廉価版のDSC-HX7Vでも1980x1080の60iが撮影でき、DSC-HX9Vではなんと60pのフルHDが撮影できる。一眼デジカメで撮る」ムービーは未だにセンサーは30pであり、60i表示も見かけインターレースで実質は毎秒30枚の動画である。もちろんNEX-VG10やNEX-5も同様で、フルHD60iといいつつもセンサーは30Pだ。いかにサイバーショットの新機種が動きに強いかがわかる。
上はHX9Vで下はHXV7の画像。
手にとって見てみたがグリップ感は良かった。
このサイバーショット2機種は上位の30倍レンズのHX100Vよりも広角側が広い。35mm換算値(動画時) f=29-870mm(16:9時)に対してHX7Vはf=28-280mm(16:9時)でHX9Vは35mm換算値(動画時)f=25-400mm(16:9時)というワイドレンズである。さらに手ぶれ補正は光学式のアクティブモード搭載だから凄い。
レンズもこのクラスにしては口径が大きく、背景のボケも美しいかった。NEX-5を追加で欲しいと思っていたところに現れたHX9V、7Vは衝撃だった。3台買っても10万以下!手軽に高画質のマルチカメラ撮影が出来る。特にHX7Vなどはクラッシュカメラとしての利用も十分考えられる。アクションシーンや事故再現映像にも活躍できると思う。
気になる価格はオープンになっていて、販売店によって1万以上の開きがある。探せばかなり安い買い物が出来るようである。
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今日から盆休み。先日の淀川の花火大会を中津にあるライトスタッフのスタジオへ行ったときにNEX-5で撮影した。オートだが意外と良く写る。YouTubeは20分に短縮しているが、ほぼ全てのプログラムを収録している。
次のムービーは少し短く編集してBGMも入れ替えてみた。
BGMで雰囲気は全く変わる。来年花火大会へ行かれる方は「花火を見ながらiPodで好きな音楽を聴く」あるいは「iPodで好きな音楽を聴きながら花火を見る」というのは如何だろうか。
来年はぜひリッツの角部屋から自分の好きな曲をiPodで聴きながら眺めてみたいものだ。
※今回のYouTubeもBGMは全て著作権料、音源使用料、その他の隣接権をクリアーしたものを使用している。
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2011年08月10日(水)
撮像素子とレンズが一体化したカメラユニットを交換するユニークなコンパクトデジカメのRICOH GXRに新しいカメラユニットが追加される。
レンズを持たないマウントのみでセンサーは23.6 mm ×15.7 mm CMOS センサー(総画素数約1290万画素)が内蔵されている。また動画機能も1280x720だがハイビジョンにも対応した。
マウントはライカMになっている。つまりL39への変換も容易な上、Mマウントで提供されてる様々なレンズのほかにサードパーティーから発売されているexample→LeicaM変換アダプターも使える。
このカメラはAPS−Cサイズを使うNEXシリーズのライバルになることは間違いないだろう。35mmフルサイズ換算で見かけの焦点距離が2倍にシフトするPENやルミックスのマイクロフォーサーズではなく、1.5倍シフトのデジタル標準サイズで発売したことは高く評価できるが、出来ればより広角に強い35mmフルサイズでも出して欲しい。
いずれにせよレンズマウントユニットの発売はゴミとして廃棄される運命にあったフィルム時代の光学レンズを再び現役に復帰させる救世主、あるいはブラックジャックになり得るアイテムといってよいだろう。
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2011年07月05日(火)
ソニー豆カムHDにジャストフィットのレンズフードを購入。
フィルター径30mmの豆カムHDは普段ワイドコンバーターを付けて使用しているが、場合によってはワイドコンバーター無しでも使用する。しかしレンズの前玉が浅いのでフレアーを生じたり、指が触れてしまってレンズに指紋が付着してしまう。とくに出演者の手元に置いた豆カムは触られやすい。そこで見つけたものがこの角型フード。 ショップの写真では黒いキャップが付いていたが、届いたものは乳白色のキャップが付いていて、入射光でホワイトバランスをセットする場合にも便利だった。
これがフードを装着した豆カムHDの姿。ネジの部分に締め合わせようのリングが付いていて、角型フードの取り付け角度を決めて固定することが出来る。けっこうよく出来ていると思う。
それともう一つ面白いものはNEX-5用の液晶フード。少し加工するだけで(私の場合約10分ほどの切削だった)豆カムHDに取り付けられるようになった。下部が無いことでタッチパネルの操作にも邪魔にならない。デザインは5吋液晶モニターのCLM--V55のフードにそっくりだ。
他にも八仙堂の30mmΦのレンズキャップも重宝する。スプリング固定でねじ込みタイプよりも使い易いうえに脱落もしにくい。
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2011年06月28日(火)
デジタルが進化することでいろいろなものが安くなった。
その一つが信号変換器のLKV354だ。コンポーネントビデオをHDMIに変換する。電源はACアダプターだがDC電圧が5Vなので単三電池4本で駆動できる。
アナログコンポーネント入力を備えた小型液晶モニターが廃盤になり、最近はCLM-V55のようにHDMI専用の安いものになった。そういったモニターに便利なコンバーターである。
このコンバーターがあるとHDMIやHD-SDIを持たないGoProHDやHVR-Z1J、そして旧のHDCAM HDW-700Aなどでも小型モニターへケーブル1本で出力できる。
お薦めの小型液晶モニターはソニーのCLM-V55.とても気に入って現在2台使用している。HVR-Z5JやNEX-VG10でも活躍し、先日ののアオバズク撮影ではNEX-5のファインダーとしても使用した。
デジタルは今後も私達に驚きの機能、価格を提供してくれるに違いない。ただしそういったデジタル機器を設計、製造しているのは類人猿から進化した我々人間のアナログ思考であることは面白い。
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2011年06月27日(月)
近所の神社からアオバズクが消えた。5月に来て6月半ばまでは時々見かけた。この神社の傍の元医院の奥様の話では「写真を撮りにきた人が眼を開けたアオバズクを撮るために色々音を出して脅かした」そうだ。しかし実際に居なくなった理由は判らない。その後も数回見かけたりもしている。
アオバズクは人里に渡ってきて繁殖することで知られこの神社も両隣に大きなスーパーマーケットがあり、夜遅くまで営業している。駐車場の稼働率も高く、騒音、ヘッドライト、排気ガスなど決していい環境ではないはずだ。
また「野間の大けやき」で有名なアオバズクスポットも「特別天然記念物」の大ケヤキを見るために観光バスも訪れる。また休日にはツーリングのバイクも沢山やってくる。それでもアオバズクは平気で下界の喧騒をよそ目に昼寝をする。
近所の神社のアオバズクも何らかの理由で不在なだけで、その内留守宅に戻るとは思う。もし戻らなければ木の洞の雛は育つことが出来ない。元医院の奥様が仰っていることが原因ならアオバズクが巣を放棄するほどのよほど酷い脅かし様だったことになる。
下の動画は6/25に野間で撮影したもの。眠っているアオバズクも待っていれば眼を開けてくれる。カメラは小型デジカメのNEX-5を使った。手軽に撮影することが出来る点では大ケヤキはお手軽な観察スポットといえる。シーズンには数十人のカメラマンが並ぶとも聞いている。
撮影はこんな感じで行った。NEXが小さいので、レンズにカメラが付いているといった感じになる。東京オリンピック時代の古いレンズなので色収差は良く出る。それでもたまには陽光に晒してやらねばレンズにカビが発生してしまう。
こちらはNEX-5の写真モードで撮ったアオバズク。
古い600mmF5.6にTC-16Aを装着して960mm相当になる。APS-Cなのでフルサイズ換算では1440mmということになる。超望遠にはなるが、実際にはお手軽撮影ということがいえる。古い割にはデジタルのおかげでけっこう写るものだ。
生き物つながりで今日の「パンダ先生の“学べる!どうぶつ園」テレ東制作の番組で大阪ではテレビ大阪でオンエア。担当したのは姫路セントラルパークのホワイトライオン。とても可愛かった。
で、番組の最後に流れるエンドロールなのだが、あ゛〜〜〜
千里ビデオセンターになっていた。正しくは千里ビデオサービスなのだが、けっこう間違えられることが多い。この際センターに変えたほうがいいのだろうか・・・・
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2011年06月21日(火)
NEX-5とNEX-3のファームウエアが更新されてVer.4になった。
【アップグレード内容】
1.「ピクチャーエフェクト」機能を追加
2.MF(マニュアルフォーカス)時のピーキング機能の追加
このほかに、電源OFF時、システム終了までの間、液晶画面にαロゴが表示されるようになる。
アップデート作業はPCにNEXをUSBで繋いでPC画面に従うだけの簡単な作業。数分でNEXが生まれ変わる。
静止画撮影であれば拡大フォーカスが有効だが、動画撮影では連続して全画角を見なければならないため、拡大フォーカスよりもピーキングの方が有効だ。
NEX-VG10ではピーキング機能が付いた5吋LCDのCLM-V55を使ってピーキングや拡大表示をさせているが、今回のアップグレードがNEX-VG10でも行われれば、VG10単体でのマニュアルフォーカスが非常に楽になる。現在はまだアナウンスされていないが、前回Aマウントアダプター対応のアップグレードはNEX-5/3から少し遅れてNEX-VG10でも実施された。
出来ればNEX-VG10でもピーキング表示のファームウエアアップグレードを早急に行ってもらいたい。出来ればキヤノン5DMkUで行われたように24P対応や音声レベルのマニュアル調整にも対応してもらいたい。
電源OFF時、システム終了までの間、液晶画面にαロゴが表示されるのはけっこうカッコいい。
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2011年06月16日(木)
GoProHDの背面LCDが届いた。
当初からモックアップは発表されていたがなかなか発売にいたらず断念かと思っていたが、先月発売されていた。
背面液晶パネルと拡張バッテリーケースが届いた。
液晶パネルは本体の背面に装着する簡単なものだで、防水、非防水のハウジングカバーがHD用とSD用の合計四枚が同梱されていた。(SDのGoProは持っていないので必要ないが・・・)
液晶パネルを使うにはファームウエアを最新のものにアップデートする必要がある。ファームウエアはGoPro正規代理店のエバニューのサイトからダウンロードできる。
またアップデート方法が動画で紹介されている。動画はもちろんGoProHDで撮影されている。
さっそく本体に背面液晶パネルを取り付ける。
背面液晶パネルの装着を可能にしているのがGoProに付いているマルチコネクター。背面液晶パネルはライブビューが出来るだけではなく、カメラやバッテリーの情報、そしてこれまで前面の小さなLCDを頼りに設定していた撮影モードやメニュー設定が全て文章で表示される。基本設計が優れ、インターフェースは将来を見越したであった。GoProの設計者に心からの賞賛を贈りたい。
撮影テストといってもとりあえずということでテーブルに置いたNikon Fなど。
液晶パネルのライブビュー。撮影距離は約15cm。広角170度のGpProである。(モノクロのように見えるが、それは被写体に色味が無いためで、色のある被写体ではきれいな映像が映し出される)
モニターのボタンを長押しすると再生モードに入る。これも便利な機能だ。カメラのファンクションボタンでVIDEO/PHOTO/BRIGHTNESSを選べ、シャッターボタンとファンクションボタンで順送り、逆送りできる。たった二つのボタンに全ての機能が割り当てられている。
撮影画像や拡張バッテリーケースなど。
同時に購入した拡張バッテリーケース。充電用のUSB端子とバッテリーインジケータが付いていて、単体でUSB充電ケースとしても使用できる。バッテリーはGoProと同じものが付属していた。そして拡張時に使用するハウジングのリアカバーが二種が付属していた。一つは完全防水のもので、もう一つは音声が記録できる非防水の穴が空いたもの。使用状況によって選択する。こういったシステマチックなところもGoProらしくて好きな部分だ。
GoProHDで撮った静止画ファイル。
本体に液晶が付いたことで動画だけではなく写真を撮影するのも楽しくなる。
一体化した液晶パネルによってGoProの可能性は飛躍的に高まったと感じている、まさに革命的進化だ。そして今後さらに新しい機能などが追加されることを期待したい。
次々に新製品を発売するどこかのメーカーとは違い、ファームウエアと周辺機器で進化するGoProは我々ユーザーの味方であり、確実に省資源を実行しているのではないだろうか。
今回購入はプロショップRBSの楽天で購入した。送られてきたものはGoPro正規代理店であるエバニューのシールが貼ってあった。些細なことだが安心できる部分だ。
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2011年06月15日(水)
先週金曜日に修理に出したHVR-Z5Jの修理が完了した。
何処が故障したかというと、外部モニターへの映像出力端子。
当初アナログコンポーネント出力の接触不良だったが、先週末に重要文化財の撮影を行っているときにHDMI出力が接触不良を起こして外部モニターの映像が出なくなってしまった。前日の京都では問題なかったのだが、故障というものはいつ起こるかわからない。
コネクターを動かすとなんとか映像はで出て、記録も問題ない。端子の接触不良が原因だ。コネクター部分に適当な大きさに丸めたパーマセルテープをボディーとの間に挟んでコネクターを傾けて現場は乗り切った。
こういった状態では次のロケに支障があるために大至急で修理に出した。サービスセンターの素早い対応のおかげで早々に修理が完了した。
これが交換されたコネクター基板。左がIEEE1394とアナログD型端子がついた基板で、右はHDMI端子の基板。
そしてこの修理の際に【ビューファインダーのフレキシブルハーネスの断線が報告されているため、対策品に交換しておきました】ということで、こちらは無償交換されていた。
修理のついでにレンズのフランジバックの調整(コンピューターと治具が必要なため、放送レンズのように自分で調整することが出来ない)もしていただいた。
まずは一安心なのだが、以前アナログ出力コネクターの抜き差しをしなくても良いようにBNC端子への変換ケーブルを作った。
【HVR-Z1J BNCコネクタ】の記事をご覧いただきたい。
今回そのカメラ側が今回故障したわけで、前回の方法では不十分だということになる。そこで今度の撮影に向けてHVR-Z5Jの出力コネクター部分に強化対策を施した。
これが強化対策を施した部分。
コネクターを1mmのアルミ板で補強して結束バントで固定している。アルミ板のZ5Jへの固定にはスリーエムの超強力両面テープを使用している。
次の写真は以前のコネクター部分。補強は行っていない。
最近はHDMIやHD-SDIへの出力が当たり前になったため、HDMI端子もカメラ側のコネクターを抜き差ししなくても良いように中継コネクターをグリップのバンドに取り付けている。
HD-SDIモニターに出力する場合は中継コネクターへ送っているHDMIケーブルをカメラアタッチメントに取り付けたブラックマジックのミニコンバーターに差し替えることでHD-SDI×2出力が可能になる。
今回の故障のおかげといっては何だが、HVR-Z5Jの外部出力の信頼性が大きく向上した。まさに怪我の功名というものだ。使用頻度の高いHVR-Z5Jにはまだまだ現場で活躍してもらいたい。
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2011年05月25日(水)
今日明日の現場に用意したNEX-VG10用レンズ。
Nikkor 17-35mm F2.8/Nikkor 85mm F1.4/Nikkor 50mm F1.4
Nikkor 18-70mm F3.5-4.5 NEアダプター付/Sony E-17-55mm F3.5-4.5 /Nikkor 35mm F1.4
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 NEアダプター付/NEアダプター/
右のケースにはSony E-16mmF 2.8とウルトラワイドコンバーター、フィッシュアイコンバーターがあり、スクリューインのNDフィルターが各種入っている。左上はZiggyJIBの回転ヘッドやHDMI分配器など。あとはフィルターケースにLEEの角型フィルターやマットボックス、モニターなど。
それにしてもNEX-VG10のロケではHDCAMやHDVのロケに比べて機材が多くなる。フットワークの良いロケを行うために収納方法や撮影スタイルを考えなければならない。
スタッフ的には撮影部2名、照明部2名、演出1名、製作1名のコンパクトなものである。
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2011年05月24日(火)
シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSMが活躍している。
現在進行中のプロジェクトではこのレンズが無ければ無理といっても過言ではないと思う。先週に続いて今週もこのレンズは多用する。
35mmフルサイズ換算12-24mmに相当する画角はかつて世界一の最広角を誇ったニッコール13mmF5.6をもしのぐ画角が得られる。現在フルサイズで12mmの広角といえば同社の12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMとフォクトレンデルブランドのウルトラワイドヘリアー12mmF5.6くらいだ。残念ながらウルトラワイドヘリアーは一眼レフ用ではなく、VM(ライカ互換)であり、ともにNEXに装着した場合は画角は1/1.5になってしまう。つまりNEX-Eマウントで使用出来る最広角レンズではこのシグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSMしか選ぶことが出来ない。
このレンズはシグママウント、ソニーαマウント、ニコンFマウント、ペンタックスマウント、キヤノンEFマウントのものが提供されていて、NEXに使用する場合はソニーαマウント用が良さそうだが、シグマはAマウントアダプターはサポートしていないらしく、ソニーのα→Eマウントアダプターでは機能が制限され、AFは不可ということである。
結局私はニコンFマウント用のタイプで、それにNikonF→NEX(Gレンズ対応)アダプターを介してNEX用とした。当然NIKONのDXサイズで使用した場合にはAFや超音波モーター、絞りなどの全ての機能が使用でき、いわば1本で2度美味しいレンズだといえる。
このシグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSMの画角をHDCAMで得るにはHJ14しかなく、NEX-VG10や新しく登場したEマウントのスーパー35mmカムコーダー「NEX-FS100J」では現状シグマしかなく、価格はHJ14の1/50で手に入れることが出来る。HJ14の14倍とシグマの2倍を比較することはばかげたことではあるが、最広角レンズということでは二者は共通する。そして超広角レンズとしてみた場合は湾曲などでシグマに軍配が上がると感じている。ただし撮影時に頻繁にレンズ交換を行う必要があることは否めず、NEXでの撮影においてはロケハンとレンズプランを考えなければ撮影をスムーズに行うことは出来ない。
ちなみに現在のプロジェクトではマクロレンズなども含めて約10本のレンズを使用している。
HDCAMのENGでは標準ズームと広角ズーム2本でこと足りるところだが、スチル用レンズを使用するNEXやPMW(もちろんフォーサーズのAF105なども)では多数の単焦点レンズや低倍率ズームレンズを用意しなければならない。
普段TVレンズを使用するカメラマンにしてみれば「とんでもなく使いにくいカメラ」ということになる。
参考にEOS5DMkUで使用できる12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMライカを扱っているレモン社のアウトレットで安く出ていた。5DMkUユーザー必見である。
もちろんEOS7DユーザーはAPS-Cのシグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSMを選ばなければならない。
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