2011年10月04日(火)
昨日はCMの撮影だった。15秒の外食大手の地上波OAだ。
ただし予算が厳しい。当初PMW-F3を提案した。
却下された。
ギリギリの選択で決まったのがHDVでの撮影。ブロックノイズを考慮してテープとメモリーの同時記録。
HVR-Z5Jのテープでのみ可能なハイスピード(オーバークランク)でのスローモーションは一旦テープに記録したものを現場でメモリーにダウンロードした。
今回の予算会議で譲れなかったものはスタッフたった。最低限撮影部2名と照明部2名は必要と押し切った。
モニターは技術用にHD-SDIのブラウン管モニターを用意した。制作モニターは制作さんに自前でLED REGZAの22インチを用意してもらった。
実はそれが良いモニターだった。LEDバックライトのおかげでとても明るくきれいに見える。さらに100%の視野率で見える。クライアントに見せるにはもってこいだ。
オンエアの確認ということではクライアント用には少し派手な民生モニターが好まれるし、視聴者のことを考えても民生機での確認は重要だ。
事務所に戻って早速調べてみた。
19インチと22吋のものが安かった。ともにHDMI入力は2系統だそうだ。これは買いである。
撮影に使ったHVR-Z5JといえばもはやZ5Jには見えない(笑)
HDMIからHD-SDIへの変換にはブラックマジックデザインのミニコンバーターHDMI toHDSDIを使用している。今回は使用しなかったがHDW-750のHD-SDIをHDMIに変換する場合はHDSDI to HDMIを使用する。これでHDCAMの出力が民生テレビで再生可能になる。
ちなみにブラックマジックのミニコンバーターは3年間の交換保証が付いている。故障した場合は修理対応ではなく良品に交換だ。電源が入らないとか、信号が出ない場合などは不良品が到着した日に良品が発送されるそうである。
厳しい現場だったが制作さんと知恵を合わせることでなんとか切り抜けることが出来た。ただしHDVで地上波用のCMを撮影していいかどうかはいささか疑問の残るところ。というのもニキビ予防のCMにはRED ONE、ハリウッドスターが登場する軽自動車のCMにはARRIが登場している。つまりクライアントも現場で使われているカメラはどういうものかを知っているのだ。
ただ、逆を言えばHDVの持つ能力がかなりのものともいえる。
ここで大きなニュースがある。
ソニーがまたやってくれた!今度はRAWデータでの記録が可能なシネアルタ。さらに価格は従来のモデルの半額以下だから驚きである。
2012年はハイエンドもローエンドも益々面白くなる映像の時代ということだろう。
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2011年08月15日(月)
アナログ地上波が停波し、東北地方の一部を除いて全てハイビジョン化したことで私の会社でも旧機を廃棄することにした。ベーターカム、DVCAM、DVCPROの編集機や録画機、パナソニックのSDシステムカメラや池上のデジタルプロセスカメラ、さらに中継用のスイッチャーやDVE数台、そしてコピー用のVTR十数台や測定器など。
全て稼動できるものだが、ハイビジョン時代には場所をとるだけである。売却しても二束三文で値段を聞くと悲しくなるのでまとめて廃棄業者にお願いした。
色々片付けているとこんな物が出てきた。
1970年代後半に発売されたワンポイントステレオマイクECM990Fである。当時はカセットデンスケなどを使った生録ブームだった。
BEのロゴが示すようにバックエレクトリックコンデンサーマイクを搭載し、ロータリースイッチによって集音角度を90度/120度/150度/180度と4段階に切り替えることが出来る。ファントムには対応せず単三乾電池1本で駆動する。出力は不平衡の標準プラグでLRが出る。
メインに使っていたダイナミックマイクのF115に比べると吹かれには弱く、屋外ではタオルやウールで包まなければならず、もっぱら屋内使用に限定された。
いたずら半分にローランドのデジタルレコーダーで録音してみたが、まさか30年を経過したマイクとは思えない音がした。廃棄される運命から急遽反転して吹かれ対策を施す。例のフェイクファーを用いたウインドジャマーの製作だ。いつものように男の裁縫箱が活躍する。籠ジャマーの時に余ったフェイクファーなどを使ったので「家庭科の時間」の手間だけで出来た。
ECM990Fに合わせて裁断したフェイクファーを袋状に縫って綴じ紐をトうせるようにした。約1時間の作業。出来上がったワンポイントマイクジャマーがこれ。↓
クーラーの噴出し口で吹かれをみたが良好に抑えられている。音質も大きな劣化はないようだ。
早速自宅前の植え込みでセミの鳴き声を録音。R44で録ったWAVファイルをMP3に変換しただけのファイルをアップしてみた。遠くでヒグラシの声も聴こえる。
http://svs.ne.jp/ecm990.mp3
http://svs.ne.jp/ecm990-2.mp3
テレビカメラやVTRはフォーマットが変われば一気に価値が低下し、挙句の果ては廃棄の運命になる。しかしマイクロフォンはかなり長く使うことが出来る。それはフィルムカメラやレンズに似ている。
色々なSEが手軽に録れることはとても有難い。しばらくはECM990とR44の可愛いセットにはまりそうだ。
ECM990Fの英語版マニュアル
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2011年07月05日(火)
ソニー豆カムHDにジャストフィットのレンズフードを購入。
フィルター径30mmの豆カムHDは普段ワイドコンバーターを付けて使用しているが、場合によってはワイドコンバーター無しでも使用する。しかしレンズの前玉が浅いのでフレアーを生じたり、指が触れてしまってレンズに指紋が付着してしまう。とくに出演者の手元に置いた豆カムは触られやすい。そこで見つけたものがこの角型フード。 ショップの写真では黒いキャップが付いていたが、届いたものは乳白色のキャップが付いていて、入射光でホワイトバランスをセットする場合にも便利だった。
これがフードを装着した豆カムHDの姿。ネジの部分に締め合わせようのリングが付いていて、角型フードの取り付け角度を決めて固定することが出来る。けっこうよく出来ていると思う。
それともう一つ面白いものはNEX-5用の液晶フード。少し加工するだけで(私の場合約10分ほどの切削だった)豆カムHDに取り付けられるようになった。下部が無いことでタッチパネルの操作にも邪魔にならない。デザインは5吋液晶モニターのCLM--V55のフードにそっくりだ。
他にも八仙堂の30mmΦのレンズキャップも重宝する。スプリング固定でねじ込みタイプよりも使い易いうえに脱落もしにくい。
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2011年06月28日(火)
デジタルが進化することでいろいろなものが安くなった。
その一つが信号変換器のLKV354だ。コンポーネントビデオをHDMIに変換する。電源はACアダプターだがDC電圧が5Vなので単三電池4本で駆動できる。
アナログコンポーネント入力を備えた小型液晶モニターが廃盤になり、最近はCLM-V55のようにHDMI専用の安いものになった。そういったモニターに便利なコンバーターである。
このコンバーターがあるとHDMIやHD-SDIを持たないGoProHDやHVR-Z1J、そして旧のHDCAM HDW-700Aなどでも小型モニターへケーブル1本で出力できる。
お薦めの小型液晶モニターはソニーのCLM-V55.とても気に入って現在2台使用している。HVR-Z5JやNEX-VG10でも活躍し、先日ののアオバズク撮影ではNEX-5のファインダーとしても使用した。
デジタルは今後も私達に驚きの機能、価格を提供してくれるに違いない。ただしそういったデジタル機器を設計、製造しているのは類人猿から進化した我々人間のアナログ思考であることは面白い。
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2011年06月16日(木)
GoProHDの背面LCDが届いた。
当初からモックアップは発表されていたがなかなか発売にいたらず断念かと思っていたが、先月発売されていた。
背面液晶パネルと拡張バッテリーケースが届いた。
液晶パネルは本体の背面に装着する簡単なものだで、防水、非防水のハウジングカバーがHD用とSD用の合計四枚が同梱されていた。(SDのGoProは持っていないので必要ないが・・・)
液晶パネルを使うにはファームウエアを最新のものにアップデートする必要がある。ファームウエアはGoPro正規代理店のエバニューのサイトからダウンロードできる。
またアップデート方法が動画で紹介されている。動画はもちろんGoProHDで撮影されている。
さっそく本体に背面液晶パネルを取り付ける。
背面液晶パネルの装着を可能にしているのがGoProに付いているマルチコネクター。背面液晶パネルはライブビューが出来るだけではなく、カメラやバッテリーの情報、そしてこれまで前面の小さなLCDを頼りに設定していた撮影モードやメニュー設定が全て文章で表示される。基本設計が優れ、インターフェースは将来を見越したであった。GoProの設計者に心からの賞賛を贈りたい。
撮影テストといってもとりあえずということでテーブルに置いたNikon Fなど。
液晶パネルのライブビュー。撮影距離は約15cm。広角170度のGpProである。(モノクロのように見えるが、それは被写体に色味が無いためで、色のある被写体ではきれいな映像が映し出される)
モニターのボタンを長押しすると再生モードに入る。これも便利な機能だ。カメラのファンクションボタンでVIDEO/PHOTO/BRIGHTNESSを選べ、シャッターボタンとファンクションボタンで順送り、逆送りできる。たった二つのボタンに全ての機能が割り当てられている。
撮影画像や拡張バッテリーケースなど。
同時に購入した拡張バッテリーケース。充電用のUSB端子とバッテリーインジケータが付いていて、単体でUSB充電ケースとしても使用できる。バッテリーはGoProと同じものが付属していた。そして拡張時に使用するハウジングのリアカバーが二種が付属していた。一つは完全防水のもので、もう一つは音声が記録できる非防水の穴が空いたもの。使用状況によって選択する。こういったシステマチックなところもGoProらしくて好きな部分だ。
GoProHDで撮った静止画ファイル。
本体に液晶が付いたことで動画だけではなく写真を撮影するのも楽しくなる。
一体化した液晶パネルによってGoProの可能性は飛躍的に高まったと感じている、まさに革命的進化だ。そして今後さらに新しい機能などが追加されることを期待したい。
次々に新製品を発売するどこかのメーカーとは違い、ファームウエアと周辺機器で進化するGoProは我々ユーザーの味方であり、確実に省資源を実行しているのではないだろうか。
今回購入はプロショップRBSの楽天で購入した。送られてきたものはGoPro正規代理店であるエバニューのシールが貼ってあった。些細なことだが安心できる部分だ。
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2011年05月30日(月)
台風が低気圧になったといっても強い風と雨が一晩中降り続いた。
一夜明けた庭のバラ。
このバラは私が最初に箕面に移り住んだ昭和54年に庭に植えたもの。数年後に名古屋へ、そして吹田へ。
最終的には平成元年に再び箕面にもどったが、妻の手によって常に私の傍で咲いていた。
雨上がりに咲く【五月のバラ】よく咲き続けてくれたと思う。
今日は私が生まれる前に作られたレンズ CANON 85mm F1.9 LeicaスクリューマウントにL39→NEXアダプターを介してNEX-5で撮ってみた。
1951年製のこのレンズはSerenar名のものとCanon名のものが有ったらしく、手元にあるのはCanon名が刻印されたもの。重さは何と0.6kgもあり、まるで砲弾のような感じ。デジタルカメラと融合した写真は60年も前に作られたレンズであることを感じさせないというか、60年前のレンズだからこういう感じに写るのだろうか?絞りは開放の1.9で撮った。
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2011年05月25日(水)
今日明日の現場に用意したNEX-VG10用レンズ。
Nikkor 17-35mm F2.8/Nikkor 85mm F1.4/Nikkor 50mm F1.4
Nikkor 18-70mm F3.5-4.5 NEアダプター付/Sony E-17-55mm F3.5-4.5 /Nikkor 35mm F1.4
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 NEアダプター付/NEアダプター/
右のケースにはSony E-16mmF 2.8とウルトラワイドコンバーター、フィッシュアイコンバーターがあり、スクリューインのNDフィルターが各種入っている。左上はZiggyJIBの回転ヘッドやHDMI分配器など。あとはフィルターケースにLEEの角型フィルターやマットボックス、モニターなど。
それにしてもNEX-VG10のロケではHDCAMやHDVのロケに比べて機材が多くなる。フットワークの良いロケを行うために収納方法や撮影スタイルを考えなければならない。
スタッフ的には撮影部2名、照明部2名、演出1名、製作1名のコンパクトなものである。
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2011年05月14日(土)
これは先日作ったNEX用のフォーカシングユニット。ペンタックスのヘリコイドエクステンションチューブとM42→L39変換リングを取り付けてMEX用ボディーキャップを加工してM42のスクリューマウントが取り付けられるようにしたもの。そのままではロックが利かないため、キャップのマウント側に発砲塩ビ板でロック機能をつけている。
M42マウント加工したEnlarging Ektar 50mm F4.5を取り付けると∞までフォーカスを合わせる事が出来る。
ヘリコイドを回すとこんな感じで伸縮する。
上のGIFアニメについているレンズは知り合いからいただいたEL-Nikkor 50mm F4。Enlarging Ektar 50mm F4.5と同じく引き伸ばし用のレンズだ。EL-Nikkorは50mm〜150mmまで全焦点距離を持っているが、ニコンのベローズPB-4ではもっぱら50mmF2.8を使い、50mmF4は全く使うことが無かった。ところが昨日75mmと間違えて50mmF4を今回作ったNEX用フォーカシングユニットに取り付けてみたら、なんとインフ(∞)で合焦するではないか!50mmF2.8は全く無理で近接用でしか使えない。インフが出るのは63mmか75mm、80mmなどで、105mm以上の焦点を持ったEL-NikkorはKリングやM2リングを介して取り付けた場合だ。
インフで合焦することが判って早速テストしてみた。撮影結果は下の写真(クリックすると原寸のオリジナルの画像が開きます)
絞りはF8が最も解像度が高かった。このレンズでの撮影は下の写真のような状態。50mmF2.8に比べてF4はフランジバックが長く設計されている。
そしてこのフォーカシングユニットでインフが出るもう1本の50mmは先日紹介したEnlarging Ektar 50mm F4.5だ。
この組み合わせでEL-Nikkorと同じアングルで撮影してみた。これも絞りはF8。雲の動きが速く、若干陰ってしまった。
テストついでに他のレンズも何本かテストしてみた。まずはSuper Takumar 24mm F3.5(絞りは全てF8で行った)
次にSuper Takumar 28mm F3.5
次はマクロレンズのSMC Macro Tkumar 50mm F4
Macro Takumarと同じ焦点距離の明るい標準レンズ Super Takumar 50mm F1.4
焦点距離55mmの普及型標準レンズ Super Takumar 55mm F1.8
ベローズ用レンズもインフが出る。Bellows Takumar 100mmF4
135mmレンズはAPS-Cで使用すると35mm フルサイズ換算で200mmクラスになる。Super Takumar 135mm F3.5
ミラーレス構造のNEXというカメラは実に面白い。フランジバックが短いため、各社から発売されているマウントアダプターによって様々なレンズ(往年の銘レンズ)がとても簡単に取り付けられる。手放せないカメラの一つになってしまった。
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2011年05月10日(火)
先の記事に書いたEastman Kodak Enlarging Ektar f:4.5 50mmのM42(ペンタックススクリューマウント)への変換方法について問い合わせがあったのでこちらで公開。先日の仮付けではなく正式にM42マウント化している。
マウントのベースになったものは八仙堂さんのM42ボディーキャップとレンズリアキャップ。アルミ製の黒と白があったが、Enlarging Ektarには白が似合う。24.7mmの穴をあけてEnlarging Ektarの座金用ナットで取り付けた。
右はレンズリアキャップ。これも同じく金属製。
さてこの穴あけ加工だが、やはりいつものようにホームセンターのお世話になる。便利なものがあるものだ。
サークルカッターというらしい。鉄なら2mm、アルミなら4mmの厚みまで、硬質新建材なら6mmまでの穴あけが可能らしい。穴の径は20mm〜76mmまで調整でき、芯から歯までの距離を測る専用のスケールが付いている。何故専用化というと、半径を計るのでスケールが直径に合わせて2倍になっているからだ。これを卓上ボール盤に取り付けて作業した。
Enlarging EktarをM42マウントに変換してペンタックスベローズユニットに取り付けた状態。とても美しく仕上がったとひたすら自己満足に浸っている。
とても56年前のレンズとは思えないというか、鏡筒にプラスチックを多用した近頃のレンズには無い美しさがあると思う。もちろん色収差や湾曲も無く、現代にも通用する描写力をもっているところはさすがにコダックでありエクターだと思う。
ただし60年代のコダックインスタマチックのプラスチックレンズだけは今も好きにはなれない。
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2011年05月09日(月)
今更50年以上前のレンズの話である。かつてコマーシャルエクターというレンズが有った。大判カメラを使っていた人なら「あ〜、あの銘レンズ」ということになる。そのエクターの血を引くレンズをひょんなことで手に入れることが出来た。
これがそのレンズ【Eastman Kodak Enlarging Ektar f:4.5 50mm】だ。テッサー型ではなくヘリアー型らしい。
見た目が美しかったので買ってしまったが、はたしてどれほど写るものかはわからなかった。
NEX-5の即席加工したボディーキャップにアサヒペンタックスのM42ヘリコイド接写リングを取り付けて、その先端に穴をあけた発砲塩ビ板でこの可愛いエクターレンズを取り付けてみた。※仮付けのため正確に光軸が出ていない。
まずは遠景のテスト撮影。後日正式に金属マウントを加工するまで、片ボケは仮付けのご愛嬌ということでお許しいただきたい。いずれも絞りは開放のF4.5で撮影はNEX-5(写真をクリックしていただくと原寸のオリジナルが開きます)
次に背景のボケ具合のチェック
そして近接撮影のテスト。会社の近くの歩道は住民に解放されていて花壇がきれいだ。
1954年製造らしいが、その年は私が生まれた年だ。今回入手したこのレンズとの出会いに少し運命的なものを感じている。
アメリカというとつい大雑把な印象を受けるが、その科学力、技術力は非常に高い。
私の父が南方戦線でマラリアや赤痢に脅かされ、母は防空頭巾を被って竹槍を振りながら「鬼畜米英」と叫んでいた頃、アメリカはカラーフィルムで太平洋戦争を記録していた。そんな国に勝てるわけも無い。
そして今、アメリカは「TOMODACHI」である。
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2011年05月04日(水)
ニコンFが復活した!シリアルは最終の740万台。
巻き上げレバーやセルフタイマーレバー、シンクロソケットの形状がニコンF2などと似ている。接眼部は後期型から四角から丸型の標準的な形になった。別に740万台にこだわるわけではないが、ニコンFとしては最も使いやすいと感じているからだ。
何故ニコンFを復活させなければならなかったか、それは2.1cmレンズだ。この2.1cmのオールドニッコールは残念ながらニコンF3Pには装着できない。ニコンF2には装着可能だから、F2でも良かったわけだが、カメラマンとしてのコダワリがある。
スタジオカメラマン時代にF2も持ってはいたが、単に好きになれないとういうだけの理由でF3が出るまではいつもニコンFを好んで使っていた。それゆえ私の場合は2.1cm用はニコンFしかあり得ない。
カメラに取り付けた時の大きさはパンケーキで親しまれているAi Nikkor 45mm F2.8Pとほぼ同じ大きさで、マウント基準面からレンズ枠先端まで約17mm。しかし3群4枚のテッサータイプでミラーが存在するパンケーキに比べ4群8枚構成でミラーがなく対称構成の2.1cmは画角はもちろん異なるが、私は角よりも格が違うと思う。
現代とは物価が異なるが、2.1cmの発売時価格は3万あまり、そしてニコンFの発売時価格は
昭和34年発売時 5cmF2付き67000円 本体47000円
昭和37年4月時 50mmF2付き59000円 本体44500円
昭和41年4月時 50mmF2付き58700円 本体44200円
昭和44年4月時 50mmF2付き58700円 本体44200円
昭和49年2月時 50mmF2付き75000円 本体54000円
同じ型番で値下がりしたカメラも珍しい。ある意味時価である。
NIKKOR-O 1:4 f=2.1cmはもともとNIKON Sシリーズ用の広角レンズだったものニコンFをミラーアップして、さらにミラーボックス内部と干渉しないように一部をそぎ落としてNIKON F用としている。
レトロフォーカスの20mmF3.5UDなどもカメラのファインダーを使えて便利だが、2.1cmの対称構造のレンズの魅力は使ったことのある人でなければ解らないと思う。
ハッセルブラッドSWCのビオゴン38mmとレトロフォーカスのディスタゴン40mmの描写の差は顕著だ。大判カメラのスーパーアンギュロンも然りだ。
まぁ、そんなことよりもこのレンズをニコンFの装着して撮影することがとにかく楽しいのである。下の写真は今日次男が生まれてはじめてニコンFに2.1cmF4を装着して撮ってみたスナップだ。はたして気に入ってくれただろうか?
現像とデータ化はハーフ判のダイヤル35などの現像&データ化をお願いしているフォトドペックスさん。
(写真をクリックすると大きなサイズをご覧いただけます)
いずれもDxO Filmpack v2にてILFORD FP4 PLUSを選択して金調色加工
(NIKKOR-O 1:4 f=2.1cm / NIKON F / KONIKA MINOLTA CENTURIA SUPER 400 Color NEGA film)
参考に車庫のレンガ壁を撮ってみた。さすがに単焦点対称構成の広角レンズらしく湾曲は少ない。右側が暗いのは周辺減光ではなく、軒下になっているため。
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2011年05月01日(日)
APSサイズの超広角ズームをポイントでGETした。NEX-VG10やNEX-5で使うことを考えるとソニーのα用がベストと思われるが、実はシグマのレンズはソニーのAマウントアダプターLA-EA1ではサポートされず、そのためにAFは利かない。もちろんバージョンアップしたNEXやAマウントアダプターを用いても利かない。また、LA-EA1を使用した場合ライブビューはつねに絞り開放状態になってしまうらしい。この点はNEX-VG10やNEX-5の動画撮影で試したわけではないので実際にどうなるのかは判らない。その点KIPONのGレンズマウントアダプターは絞り調整機構が機械的な構造ゆえに実絞りでのライブビューとなるために連動機構に対する不安は無い。
ということでGETしたものは8-16mmF4.5-5.6DC HSM(ニコン用)である。これを先に紹介したKIPONのGレンズ用マウントアダプターでNEX用とした。ということはNIKON D300でAFが使えて、さらにNEXでも使える利点がある。まぁ、「1粒で2度おいしい」といったところだろうか。
8-16mmのテレ端はソニーのEマウント単焦点16mmF2.8と同じだがワイド端の8mmは単焦点16mmF2.8に0.75倍のウルトラワイドコンバーターを装着した12mmよりもはるかに広い。下のGIFアニメは8mmと16mmを事務所前の景色を同じ位置から撮影して比較したもの。我ながら引けることに驚いている。(天気は悪いが・・・・)
とにかく広い。画角やパースの着き方はHJ14を凌駕している。引きの無い場所出の撮影やダイナミックな遠近感の描写にはお薦めの1本である。
ワイド端の8mmを35mmフルサイズに換算するとAPS-Cサイズで12mmとなり、動画用のAPS-HDサイズでは14.4mmとなる。キヤノン用はEOS7Dにもお薦めの1本だろう。
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この写真、普通の人にとっては何の役にも立たない「金属から紐がでたもの」だと思う。しかしこれは凄いケーブルに違いない。ただし、すごいというのは他人がその凄さを認めて初めてすごくなるわけで、そういう意味では現時点ですごいかどうかはわからない。
ただ、一部の、ほんの一握りにも満たない人にとっては画期的とも言えるケーブルに違いない。
だからこれは私にとっては【物凄いケーブル】である。
このケーブルは急遽この連休に60mのカメラリモートが必要になり手に入れた(作った)もの。連休で販売店が休みだったためにメーカー製の30mケーブルが入手できず困っていた。そのとき、まったく持って瓢箪から駒と言っていいことから生まれた。(誕生秘話はまたいずれ)
このケーブルはRM-1000BPのコントロール信号をマイクケーブルを使って行える。
出来たものを実際につないで、RM-1000BPとHVR-Z5Jを30m刻みで延長してテストしたところ150mでも全く問題なく、全てのカメラコントロールが動作した。それ以上は必要も無いし、面倒なためテストは150mで終えた。
30mのLANCケーブルは1本1万5千円ほどする。2本なら3万円だ。でもこれを使えば手持ちのマイクケーブル(平衡仕様のもの)でいくらでも延長できる。
普通の人にとっては何の役にも立たないものではあるが・・・・
※LANC端子には電圧がかかっている。カメラ側をXLR3-11C(メス)ノイトリックの場合はNC3FXX(FEMALE)にして、電源を受けるリモコン側をXLR3-12C(オス)ノイトリックの場合はNC3MXX(MALE)にしなければならないのは当然だが、マイクケーブルに逆相のものや不平衡のものが混在した場合はカメラやリモコンを壊してしまう可能性がある。自作される方はくれぐれも注意していただきたい。もちろんどんな場合もDIYは自己責任である。
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2011年04月28日(木)
たまには街のスナップなどをアップしてみたい。
梅田のニコンへ行った際にNEX-5で撮ったもの。画像をクリックしていただくと原寸の写真が開く。
いずれもNEX-Eマウントに変換したSuper Takumar 24mmF3.5(F5.6で撮影)
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2011年4月28日
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| 写真撮影・カメラ機材 / 周辺機材 / 旅の紀行 |
以前、かれこれ3年ほど前に紹介したデジ用のショルダーリグ。
ショップでの名称は【デジカメ/ムービーカメラ肩掛け台】という何ともストレートな表現だ。
以前3,980円だったものが何と2,980円で多数出ている。
3年前の記述を引用するとこうだ。
「ある映像関係の通販サイトで69,800で売られているものとよく似たものが¥3,970で売っているところがある」と某巨大掲示板でも話題になったそうだ。友人もその掲示板を見て即買ったそうで、私にも薦めてくれた。どこで作っているかもわからない怪しい製品なので予備部品の意味合いも兼ねて2台の即決落札である。品物は2台同梱で送ってもらったために送料は1台分で済んだ。
その時に撮ったセットの内容はこれ。
とにかく安くて便利だ。デジの現場では今もよく活躍してくれる。
パッチ物ではあるが価格以上の価値は十二分にある。でもどうしたらこんなに安く売ることが出来るのか、今もって不思議。
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